馴染みの鬼 ページ22
小さく震えるヒョンのからだ、冷たい肌。
あ、シャワー止めてから抱きつけばよかった、なんて思ったけど遅くて
ワイシャツとネクタイ、髪の毛がどんどん濡れていって、肌にも冷たい水が当たる。
「ひょん?」
yg「っ、なんで」
もう一度名前を呼ぶとやっとこっちに体を向けてくれた。
綺麗な白い肌、細い線。二年前につけた俺の跡なんて一切残っていなくて、仕方の無いことなのに少し切なくなる。
目を開いて悲しそうな顔でこっちを見るヒョン。
相変わらず綺麗で、セクシーで、可愛くて、かっこいい。
「会いたくなっちゃって、」
yg「は、?」
「本当はね、マフィアから足洗うまで会わないって決めてたんだけど」
困ったなあと濡れた頭に手を当ててへらっと笑う。
するとヒョンの右手がぐーになって飛んできて、頬と口元に鈍い痛みが走った。
「満足いくまで殴っていいよ、ヒョンにはその権利がある。
本当にごめんね」
yg「は、どけよ、」
シャワーを止めてヒョンが俺をすり抜け、風呂場から出ていってしまう。
当たり前だよな。
あんな別れ方で、二年も連絡ひとつよこさないで。
出会った時から俺が会いたい時にぽんと現れて、それ以外は放置。
嫌われて当然。
yg「…ん」
どうしようかなあと思って下を向いていると、目の前にバスタオルが差し出される。
顔を上げるとヒョンがいて。
ああ俺、ずっと会いたかった、ヒョンに。
ヒョンにされることならなんでも嬉しい。
バスタオルを渡されただけ。それだけだよ、でも。
ヒョンは部屋を濡らされたくないってだけかもしれないけど。
その小さな行動が、酷く俺に刺さる。
ほっとけばいいのに、ヒョンはこんな俺に、いつも優しい。
ヒョンの腕を引っ張って抱きしめる。
ほんとに小さいな、この人。
すっぽりじゃん。
yg「濡れてんだろ、脱げ」
「それって誘ってるの、?」
yg「ガキだな、わかんねえのかよ」
「ふふ、かわい、 っん」
yg「ん、ん ぁ 」
ヒョンから可愛いキスが飛んできた。
ああ幸せ、幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ幸せ。
濡れたヒョンの後頭部と雫が垂れる首筋を触る。
俺の濡れた服に裸のヒョンが密着してこれはこれで気持ちいい。
二年振りの可愛い天使、
早く食べちゃおう。
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もな(プロフ) - はひ~~(;_;)この素晴らしい作品を以前にみてこの作品のお陰でBANANAFISHを知って昨日全部アニメを見終わってこの作品のことを思い出して泣きながら探したらあって...(;_;)本当にありがとうございます!!!うるせえ、愛だほんとに好きです!!これからも頑張ってください!! (2021年4月2日 16時) (レス) id: 74191837d1 (このIDを非表示/違反報告)
1008owarinosera(プロフ) - ここで、BANANAFISH入れてくるのは、反則じゃないですか?神ですか?神ですね、ありがとうございます_|\○_ (2020年6月19日 1時) (レス) id: 3b1c88a893 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゆ(プロフ) - 柚木さん» コメント有難うございます、嬉しいです、書いて良かったです泣 (2020年6月18日 2時) (レス) id: 7b597d7205 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゆ(プロフ) - きょうさん» んんん有難うございます( ; _ ; )書いてよかったです〜泣 (2020年6月18日 2時) (レス) id: 7b597d7205 (このIDを非表示/違反報告)
ぎゆ(プロフ) - きょうさん» 嬉しいです有難うございます書いてよかった;_; (2020年6月18日 2時) (レス) id: 7b597d7205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぎゆ | 作成日時:2020年5月30日 23時