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拝啓。
雛ママ、まきママ、すーママ、パパ。つまり、私の大好きな家族へ。

4人の娘は、今まさに心が折れそうです。

だって…だってこの人!




「美味しいですね、冨岡さん。」

「あぁ。」

「…なにか好きな物はありましたか?」

「いや。」

「……では、嫌いな物は?」

「ない。」

「そうですか…。」




なに話しても一言で返してくるんだもの!どういうこと!!
派手に地味だって?ぜんっぜん嘘!派手に地味じゃない!
地味よ、地味!ただの地味!!(上司である)

どうして全然話してくれないのかな。やっぱり一緒に食べようなんて迷惑だったのかも。
私みたいな下の者に馴れ馴れしくされるのは嫌だったのかな。

最初は文句が浮かんだものの、次に浮かぶのは、消極的なことばかり。
漏れそうになるため息を堪えた。




「宇髄の娘は…。」

「あっ…はい。」




そんな時、突如として話しかけられて肩が跳ね上がった。




「今年で幾つだ。」

「え…あ、10歳です。」

「そうか。」




急に話しかけられたと思ったら、歳を聞かれて、また無言。
この人の情緒が全然わからない。
パパってばどうやって冨岡さんと話してるの…。




「あの…。」

「なんだ。」

「…私のこと、お嫌いでしょうか…?」




彼が急に動きを止めた。止めたというか…微動だにしなくなった。
それでも私は構わず口を開く。




「あまりお話もされませんし、お声掛けしても一言で返されますし…嫌いだからお話したくないのかな、と。」




そう告げると、冨岡さんは持っていたお箸を置いて、私に目線を向けた。
なんというか…何を考えているか分からない目だった。




「すまない。」

「え。」

「嫌ってるわけじゃない。俺は…口下手で、言葉にするのが苦手だ。それ故に、他の隊士から一線を引かれたり、嫌われたりすることはある。
だが…俺がお前を、宇髄の娘を嫌っている、ということはない。」




考えながら、視線を迷わせながら、ゆっくりと言葉を紡いでくれて。
心が温かくなった。




「ふふっ。では、Aとお呼びください。
“お前”や“宇髄の娘”では、なんだか寂しいです。」


「あぁ。」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

同じ言葉でも表情が違った。

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廣岡唯 - ウホウホうおぉ好きぁ (4月16日 11時) (レス) @page1 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
めめ - 親の制限でなかなか来れないですが開くたび楽しみにしてます!!このお話めっちゃ好きなので頑張って下さい!! (12月26日 8時) (レス) @page16 id: 5fbc771ab4 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - うわすきなにこれ好き(語彙力どこぞへ) (12月22日 17時) (レス) @page14 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
kakarika(プロフ) - うおぉ・・・凄い楽しみです!! (12月5日 19時) (レス) @page5 id: 833a0352da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:皐月 歩 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月5日 16時

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