番外編 ・ ページ49
.
話し合いの末、追って来た恐怖の塊の正体はマヨライターがマヨネーズに見えた土方さんの生霊だったのだと結論付け、これ以上は考えない、この先口にも決して出さないとの盟約を結んだ。
ライターがなかったら右も左も分からなくなる暗闇とはいえ、初めの一歩から今の今までずっと一本道で道に迷う心配がないのは大きい。
だがこうも道のりが長いのはおかしい…やはり騙されているのか?と深読みしてしまい、角を曲がって直ぐにあった扉に気付くのが遅れた。すんでの所で激突を避け「出口だろ!これ絶対出口だろ!!」と興奮気味の二十七歳児を宥め、声のボリュームを抑えさせる。
坂田「ヤベェよ、扉に"出口"って書いてあんだけど。なんか泣けてきたわ俺」
「キショいですよ、落ち着いて下さい。先ずはインターホンを探さないと」
坂田「なんでだよ意味分かんねェよ。友達の家遊びに行くんじゃねーんだからお前が落ち着け」
…興奮していたのはお互い様らしい。もう一度ゆっくり状況を咀嚼し、一呼吸入れてゴクリと唾を飲む。今ならどんなにくだらない駄洒落を言っても許される気がする。ありがとうオリゴ糖。
この扉を出れば暗闇無音地獄から解放されるのだと思うとドアノブを握る手に力が入る。日光を浴びられる幸福の何たるやを、今から私達は噛み締めるのだ。
坂田「…ちょ待て、こっちになんかあるぞ……紙?」
「別にもう出れるから良くないですか?」
坂田「待て待てなんか書いてある…『うしろ』……」
「エッ」
坂田「エッ」
旦那の声に反射で顔を上げた刹那、ライターが落ちて舞台は暗転。金属製のライターと地面の衝突音がやけに木霊し激しい耳鳴りが_
.
302人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» 素敵なリクエスト本当にありがとうございます…!!!ミツバ姉様大すこ民の私大歓喜です。実は幼少期の話は来るべき時に原作軸に沿って書こうと温めているのでもう暫くお待ち下さい〜!ドS沖田君!!!(ドSとは言ってない)次巻是非書かせて下さい!! (2021年6月19日 19時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
夏空(プロフ) - 柊ひなさん» ありがとうございます〜!個人的にミツバ編がドツボなので幼少期の沖田家での話って書けるでしょうか…?それと番外編でなくてもいいので沖田君との絡みをどこかで入れてくれると嬉しいです…! (2021年6月19日 10時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» いえいえ!ここからで大丈夫です!どんな系統でも良いのでじゃんじゃんください…!! (2021年6月19日 8時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
夏空(プロフ) - 柊ひなさん» あ〜見落としてました申し訳ないです…!Twitterはやってないのでできればこちらからできると嬉しいのですがどうでしょうか…。 (2021年6月19日 5時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» ありがとうございます(爆泣)常にネタ渇望中なので寧ろリクエスト超×100嬉しいです!実はTwitterを始めまして(五百五十七訓にリンクあります…)そこでの滞在時間が長いのでそこから頂けると気付きやすいのですがこちらからでも全然大丈夫です!私なんかで良ければ是非! (2021年6月18日 23時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊ひな | 作成日時:2021年1月14日 0時