【銀魂】今日もお江戸は平和です ８

番外編　・ ページ44

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「病める時も健やかなる時も絶対傍にいて下さいよ」

坂田「当たりめェだろーが、俺を誰だと思ってんだ。死がふたりを分かっても離してやらねェぞ」

「光栄です。私の視界は旦那で埋め尽くしますから」

坂田「おし、そのまま俺から片時も目を離すなよ。俺だけを見てろ。決して俺から離れるな」



プライドは摩天楼のように高い男、坂田銀時は誰がどれだけ追求しても"恐怖"を断固認めていないのは公然で、今尚認めないのがかっこたる証拠だが、前々話からの発言一から十までビビりのそれと同じである。

ただその強情さを利用して先頭に立たせ盾扱いしているので言及のし過ぎは悪しだ。却って開き直るから。



「いつでも天パになる覚悟は出来てます」

坂田「よぉーしよく言った。いいか、これからの俺達は二人で一人、一心同体の一蓮托生だ」

「嬉しいことも悲しいことも分かち合いましょう」



傍から見れば恋愛味(仮)を帯びる台詞を互いに吐き、存在を確認し合う。長距離走やテストで馴染み深い
"お前絶対裏切んなよ"を常時発動させつつ、開け放った扉の先に旦那を立たせ、あれから一度も手を離していないベルトで前へ前へと押して進むよう促した。

その過程でまァ一悶着あったが最終的に自身の強情さが仇となった旦那が震える手で扉を開け、その背越しに扉奥の闇を慎重に覗き見た。

今度は気の所為ではなく頬を撫でた生温い風と先程と寸分違わぬ闇に思わず唾を飲み込み、早くも回れ右のBダッシュで全身に光を取り込みたい衝動に駆られる。



「…深淵をのぞく時、深淵もまたこちらを覗いているのだ」

坂田「おッ、まえビビりなんだよね！？なんで直ぐそーいうこと言っちゃうのかなァ！？」

「だって旦那が一心同体って言うから…」

坂田「ウン今のは俺が悪かったね！ごめんね！？」



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