【銀魂】今日もお江戸は平和です ８

第三百六十一訓 ページ39

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「彼がいた武器商とあなた方は随分と親密なご関係なんだとか。戦争なら地球外でお願いしますよ」

河上「奴等のような無作法者と我々を一緒くたにされるのは心外でござる」
「ちょっと待てアンタ何処から出て来た」

河上「万に一つも親密な関係ではござらん」

「ナチュラルに会話のキャッチボールしようとすんな」

河上「撤回するでござる」

「うるせェお前が撤退しろよ」



まるで最初からそこに居たかのように何食わぬ顔で介入して来たのはサングラスとヘッドホンを着けて三味線を背負う怪しい輩。思わず口調が荒れてしまった。

俗に言うだれおま状態であるが、様相からして恐らく幹部なのだろう。そう仮定して消去法で考えると…正体が謎に包まれている河上万斉だろうか。


彼から貰っていた情報と山崎調べを元にしたのだが、文句を付けた河上(仮)以外にもモブ含む面々が「はァ？」と言いたげな顔をしたのでどうやらそれらは全く見当違いのようであり、もういない彼を心底恨む。

同時に彼が都合の良い楽観思考の持ち主であることを思い出し、呆れて溜め息を吐いた。



高杉「あんな狐集団にハナから興味はねェよ。接触して来たのはあくまで奴個人だ。鬼の居場所が知りたいとか何とかほざいてな」



何やら彼がいた組織は相当嫌われているらしく、彼が地球人で構成されている武装集団"鬼兵隊"の名を聞きつけ、同じ犯罪者同士情報共有という名目で単独で
"鬼探し"をしていたのだと、高杉は言った。

これは憶測だが、高杉は彼から鬼の存在を知り、それを私に結び付けて彼に私の居所を教えたのだと思う。これなら将軍様がお見えになられた祭りで放った高杉の匂わせた発言に合点が付く。点と点が繋がるとはこういうことだ。


口振りから察するに組織は兎も角、彼自体は嫌われていないのだろう。彼の死を聞き眉を下げる連中がいるという現実を目の当たりにし、犯罪者とはいえ彼は何処にいても周囲に親しまれていたことを知る。

私の知らない彼のことを慈雨のように聞き、敵の前だというのに緩やかな想いが胸に押し寄せられたようになるので解けそうになった口元をきゅっと結び直す。

鬼の…私が生きている事を彼は本当に信じて探してくれていた。彼の"あの言葉"は本当だった。犯罪者に接触までして、私を。


その事実だけが、堪らなく愛おしかった。



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