【銀魂】今日もお江戸は平和です ８

第三百五十四訓 ページ32

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消火した金のなる木への執着を再燃させ、急いで後を追って奴が乗り込んだ船へと潜入する。念の為、今の内に電話で逸れた彼等に応援を頼んでおこう。

桂一派の拠点がこの船ならば人に出くわすのは宜しくないだろうと忍んでいるが、もしこのまま出航してしまったらかなり分が悪い。



「…金の為だから仕方ないか」



金、命、愛の三つを比べて並べた言葉を偶に聞くが、今現在の私の人生に必須なのはダントツで金である。金さえあれば不自由がない。それ即ち幸せだ。

そんな金色の幸せを掴む為、通路の角から頭を覗かせ船内の様子を丁寧に慎重に探るも、今のところ桂のかの字もない。先程見た長髪が見間違いでは無いと信じたいのけれど。


芳しくない私の金銭センサーからの反応がないまま、人がいないのを良い事に少々気を抜いて歩き続けていると、ガチャッと後頭部に銃口を突きつけられた。

どうせ見つかったのならコイツに居場所を聞こうか、等と呑気に思いつつ大人しく両手を上げると「何故お前が此処にいるっスか」という予想外な女性の声。

人物像に少し、いや大分心当たりがあるのだが、いやいやまさかそんな訳(笑)と嫌な予感への否定をするも残念なことに嫌な予感センサーは激しく鳴っている。金銭センサーは絶賛反抗期の癖にだ。


…状況的に振り向けば分かる問いを無回答で答える訳にはいかず、仕方無く緩りと、恐る恐る振り返った。



「来島、〇〇〇…！」

来島「〇〇〇はないっスよね、このタイミングで〇〇〇だけは絶対にないっスよね」



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