【銀魂】今日もお江戸は平和です ８

第三百四十五訓 ページ23

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結局、山崎だけでなく近藤さんからも待ったが掛かり私のゴリ押し案は却下となった。

すると、監察ならではの山崎の提案で見廻組に扮そうとまともな事を言い出し、倒れている見廻組隊士と服を入れ替え外へ向かうことに。


倒れる隊士の服装を見れば真選組隊士が倒れていると装える。見廻組を騙す事にも繋がった一石二鳥の案は山崎のくせに生意気だと、ジャイアンのように言ってやりたくなるが、元々が地味な人間なのでこの時ぐらいはイキらせてやろう。



鉄「……あの、俺…っ、」

「出口ってどっち？」

鉄「エッ」

「なに」

鉄「いや、え？…あっ、右、です…」



難しい構造をするビルが廃れたことで更に順路が分かりにくくなったのか、来た道が分からなくなってしまい、右往左往する前に思い悩んだ顔の鉄にダメ元で尋ねると、人質で捕らわれていた癖に道順はしっかり心得ていたらしい。

彼が戸惑う理由は知らないが、途中から示されるまま進んで行けば本当に外に出られたので、良くやったと褒めて遣わし、合流した数名の隊士達に鉄を預けた。


合流した中には見廻組の隊服を纏う近藤さんと山崎もおり、無事浪士共は全員捕縛出来たとのこと。

また、少し振りに拝見した土方さんも白い隊服に身を包んでいて、かなりボロボロな様子からそこそこ苦戦を強いられた事が窺える。


そんな見廻組に扮す土方さんの応援要請で白い連中は建物内に慌てて入って行き、残された局長一人に挨拶を済ませてなかった事を思い出したので、携帯片手に呑気に立つ彼に刃を向けた。

どうやら攪乱させられた事に漸く向こうが気付いたのらしく、携帯越しに焦った声が漏れ出ている。



佐々木「…そうですか。恐らく見廻組に成りすまし、突撃隊を騙し討ちすると共に、ヘリの襲撃を見廻組に向け同士討ちさせたのでしょう」

「しかし、何分屋上の隔離空間で起こったこと故、査問委員会にかけた所で攘夷浪士による犯行と言い逃れされる恐れがありますが」

山崎「更には此度の私闘、挑発して来たのは真選組(あちら)とはいえ先に仕掛けたのは見廻組(こちら)。我々の責任も問われるのは必足ですよ」

近藤「どうでしょう。事件も無事解決した事だし、何やら手柄も置いて行ってくれた事だし、今回の件は痛み分けと言うことでお互い不問に処し、手を引かれては」

土方「如何でしょうか、局長」



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