第三百四十二訓 ページ20
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元々発展途上の弱輩集団など、粛清ならば慎重に相手するまでもないのだが、弱輩なりの卑怯さを持つ連中に人質に取られた野郎のお陰で隠密行動を取る羽目になった現状。
申し訳程度に配置される見張りを適当に斬り伏せ、確かな感覚で順調に屋上へと進む最中、あと一歩の所で不穏な動きをする見廻組の集団を発見してしまった。
近藤「なぜ連中が此処に…別働隊はあの女だけじゃなかったのか?」
山崎「…だとしても、あの人数で俺達よりも早く来ていたなんておかしいですよ」
そもそもが"一対一"ではなく"一体一対一"という面倒な立ち合い…加えて、もう片方は我々と同じ警察で。
早めた筈の足取りを止める事態に苛立ちが隠せないが先ずは何故彼等までもが此処にいるのかについて顎に手を乗せ、考えを巡らす。
先程の彼女は完全に単独行動。足止めされる事を踏んだ向こう側が別働隊を新たに派遣…?いや、それにしては人数が多いし、山崎が言うように早過ぎる。
__まるで初めから居場所が分かっていたような。
「…浪士連中に見廻組の内通者?」
近藤「となると…奴等は始めから全てを予期していたのか!?」
「あくまで可能性の話ですけど、だとしたら鉄の身が本格的に危ういですね」
…まァ理由がどうであるにしろ、私達が屋上へ足を踏み入れた見廻組を止めなければならないのだが。
__しかしどういう訳か、見廻組を追うように刀を握り締めれば直前で近藤さんに止められて。
思いがけない制止に流石に戸惑って見返せば顎で前を指し出すので、誘導されるまま視線を動かすと、そこで制止の理由を理解した。
山崎「どうしたって万事屋の旦那が攘夷浪士共に混じってなんか…」
「どうせロクな理由じゃないから考えなくて良い。それより、此処から土方さんの様子見える?」
山崎「はい……あれっ、副長見当たりません!さっきまで確かに下にいた筈なのに…」
近藤「つまりトシがこっちに向かってるんだな」
「恐らく奴等は屋上への突入で土方さんをこちらに誘い出して浪士ごと片付ける魂胆だと思うんですけど…あの人なら気合いでどうにかするでしょ」
山崎「(急に適当になったな…)」
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柊ひな(プロフ) - 夏空さん» 素敵なリクエスト本当にありがとうございます…!!!ミツバ姉様大すこ民の私大歓喜です。実は幼少期の話は来るべき時に原作軸に沿って書こうと温めているのでもう暫くお待ち下さい〜!ドS沖田君!!!(ドSとは言ってない)次巻是非書かせて下さい!! (2021年6月19日 19時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
夏空(プロフ) - 柊ひなさん» ありがとうございます〜!個人的にミツバ編がドツボなので幼少期の沖田家での話って書けるでしょうか…?それと番外編でなくてもいいので沖田君との絡みをどこかで入れてくれると嬉しいです…! (2021年6月19日 10時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» いえいえ!ここからで大丈夫です!どんな系統でも良いのでじゃんじゃんください…!! (2021年6月19日 8時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
夏空(プロフ) - 柊ひなさん» あ〜見落としてました申し訳ないです…!Twitterはやってないのでできればこちらからできると嬉しいのですがどうでしょうか…。 (2021年6月19日 5時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» ありがとうございます(爆泣)常にネタ渇望中なので寧ろリクエスト超×100嬉しいです!実はTwitterを始めまして(五百五十七訓にリンクあります…)そこでの滞在時間が長いのでそこから頂けると気付きやすいのですがこちらからでも全然大丈夫です!私なんかで良ければ是非! (2021年6月18日 23時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2021年1月14日 0時