第三百三十八訓 ページ16
.
佐々木「__ご苦労様です。お互い大変ですね。あんな出来損ないの為にこんな所に駆り出される事になるとは」
土方「お前…知ってたのか。アイツと
怪しい月明かりのみが光源となって生み出された不気味な廃ビルの群れは、夜との相性が抜群に良いらしくこんな異常時でなければ足を踏み入れることは先ずないだろう。正しく、悪い連中の溜まり場に相応しい。
慌てた山崎の報せ__
佐々木「身分を隠してちょくちょく出入りしていたようですね。いき場のなかったアレには丁度良い居場所だったのでしょう。
しかし日増しに過激になっていく組織と、警察の縁者である事が露見する事を恐れ、逃げ出した。結局アレの居場所は何処にも無かったという訳です。
まァ結局、最悪の形でバレてしまったようですがね」
昨日の会話からも感じた違和感。
血の繋がりが無い弟であるにしろ、憂慮の念を一欠片も籠もらせること無く淡々と話す兄は、弟に対しての情を何一つ抱いていないらしい。
佐々木「見廻組局長の弟、そして真選組副長の小姓。これを握れば江戸最強の警察組織を一気に二つ潰せる。
…とんだ見当違いですよ。真選組と見廻組、両局長の首があの軽い首と等価だとでも」
私は実の家族から愛情なんて甘ったるい代物を受け取った事は一度も無い。
けれど、それに近いものは家族ではない大切な人から貰って来たと質実に言える。それはもう私には勿体無いほど、沢山。
佐々木「総員出撃だ。人質に構う事はない。攘夷浪士共を残らず殲滅するのだ」
近藤「まっ…待て!佐々木殿!!アンタ、弟を見殺しにするのか!!」
佐々木「ならば取引に応じると。残念ながら私の首は貴方程安くはありませんよ」
…そうか。
鉄は、私が独りぼっちだった頃と似ているのか。
.
302人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» 素敵なリクエスト本当にありがとうございます…!!!ミツバ姉様大すこ民の私大歓喜です。実は幼少期の話は来るべき時に原作軸に沿って書こうと温めているのでもう暫くお待ち下さい〜!ドS沖田君!!!(ドSとは言ってない)次巻是非書かせて下さい!! (2021年6月19日 19時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
夏空(プロフ) - 柊ひなさん» ありがとうございます〜!個人的にミツバ編がドツボなので幼少期の沖田家での話って書けるでしょうか…?それと番外編でなくてもいいので沖田君との絡みをどこかで入れてくれると嬉しいです…! (2021年6月19日 10時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» いえいえ!ここからで大丈夫です!どんな系統でも良いのでじゃんじゃんください…!! (2021年6月19日 8時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
夏空(プロフ) - 柊ひなさん» あ〜見落としてました申し訳ないです…!Twitterはやってないのでできればこちらからできると嬉しいのですがどうでしょうか…。 (2021年6月19日 5時) (レス) id: 45dbeb9083 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 夏空さん» ありがとうございます(爆泣)常にネタ渇望中なので寧ろリクエスト超×100嬉しいです!実はTwitterを始めまして(五百五十七訓にリンクあります…)そこでの滞在時間が長いのでそこから頂けると気付きやすいのですがこちらからでも全然大丈夫です!私なんかで良ければ是非! (2021年6月18日 23時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊ひな | 作成日時:2021年1月14日 0時