第二百四十訓 ページ6
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足を踏み入れた途端、部屋中の視線が此方に向き静かになったかと思えば小さく聞こえるヒソヒソとした話し声。
大方、いや十中八九、土方さんに向けられているものであると確信できたが、癪だったので彼女達からは見えないよう席に着いて直ぐ土方さんを蹴っといた。
「何すんだ!」と言う声はこの際シカトだ。
本来なら進行役を山崎に押し付ける所であったが、顔色の悪い童貞には難易度が高いだろうと思い、私自ら女中の仕事内容を説明をすることに。
先程に比べれば顔色はマシになったが、優しい私は彼の気持ちを思いやりそんな酷い事はしない。
「___といった具合で、仕事内容はザッとこんな感じです。何か質問のある方はいらっしゃいますか?」
「「「…….」」」
「無いようですので面接に、」
「…あの、質問よろしいでしょうか」
「どうぞ」
「僕の彼女が風邪を引いてしまったみたいで、代理でここに来たんですけど…」
そこまでして入りたがるものでもないと思うし面接に代理とは一度も聞いたことがない。色々言いたいことがあり過ぎるが「あー…」と少し戸惑いながら質問者を見ると、ゴツい体で何故か女装をしていた。
土方「…………アレ近藤さんじゃねェか?」
「……格好、完全に妙ちゃんを真似てますよ。何してんの、マジで何してんのあの人」
山崎「……この間隊士から聞いたんですけど…局長、姐さんの近所に貼り紙貼りまくったり直接訪ねたりしてたらしいです…ほぼ毎日」
「来ないから枠だけ取って後であげよう、とかアホなこと考えてるんですよ絶対」
近藤「あの〜代理面接でも大丈夫ですかね?」
土方「代理面接って何だよ。それやる意味あんのか?」
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凛音 - 夢主ちゃん大丈夫よ‼︎!もしお嫁に行けなくなっても私がもらうからッッ!(私は女です) (2022年3月27日 9時) (レス) @page37 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» 加兵衛さん本当に良い人過ぎて一家に一人はほしいですよね(?) ひたすら励みになるコメントありがとうございます!全身全霊で更新し続けますっ!! (2020年6月14日 0時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 加兵衛さんが素敵なことをおっしゃっていたので私も…!作者さんの作品、すごく面白いです!最初出会ったとき「こういう作品が読みたかった」って思えたくらいです(*^^*)これからも作者さんが更新続けられる間、付いていかせてください(*´∀`) (2020年6月13日 8時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ああああさん» なんて素敵な感想…大声で読み上げました、好きですのところ。めちゃくそ嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年5月17日 1時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
ああああ(プロフ) - おもしろ度31票にしておきました。昨日読み始めて面白くて秒で読みました。好きです頑張ってください (2020年5月13日 10時) (レス) id: c8a52e8fe6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2020年4月22日 23時