第二百三十二訓 ページ46
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入院生活二日目。
今日もやって来た土方さんは、本当に昨日の倍の書類を持って来た。私を過労死させたいのだろうか。
昨日の分の書類を渡すと椅子に座りながら目を通し始めたので、頼むから帰ってくれとの念を送りつける。
土方「『幕府黙認地下遊郭"吉原桃源郷"の崩壊!常夜の街に遂に陽が差す!』」
「は?こっわ、急になんですか。ホントに怖いです。新聞の見出し?」
土方「週刊誌の見出しだ。新聞じゃンな記事書けねェ」
「週刊誌読むんですね」
土方「近藤さんがとっつぁんから貰ったモン読んだだけだ」
書類から目を離さず唐突に喋ったので流石に驚かされた。
ホラ、と渡された週刊誌を読むと、土方さんが言ってた通りの見出しがあり『楼主、鳳仙に対する遊女達の反乱が功を成したと思われ…』と、その後も文が並んでいる。
『中には数人の浪人が手を貸したとの噂もあり、真相は未だ掴めていない。』と、怪しい文があったが明確には書かれていなかったので一先ず安心する。
が、私にこれを見せてきたのだから土方さんは私がその浪人であると疑っているのだろう。一々回りくどい。
土方「記事によりゃァこれは昨日の事らしい。昨日の今日でよく記事にまとめられたもんだ」
「記者魂ですね」
土方「昨日といや、お前が轢かれて入院した日と同じだな」
「偶然ですね」
土方「誤魔化すなアホ。じゃあ聞かせてもらうが、お前を轢いた奴は誰だ?」
「…旦、ぶッ!」
問い詰められてピンチだったので、つい、咄嗟に「旦那です」と言おうとしたら、また横から枕が飛んできて顔面にクリーンヒットした。犯人はまた旦那、危機察知能力が高い。
土方「まァたテメーか!!何回人の会話邪魔すれば気が済むんだ!!」
坂田「お宅の娘さんが枕一つで寂しそうだったからつい」
土方「枕二つもいらねーだろ普通!!つかその理由前回の使い回しだろ!!いい加減にしろよテメェ…!」
坂田「じゃあ言わせてもらいますけど〜お宅の娘さんその吉、ぐッ!」
「まァまァ、うるさくすると看護師さんに怒られちゃいますから。落ち着いて」
旦那がポロっと暴露しそうだったので枕を顔面に投げ返すことで阻止し、二人を宥める体で話す。
旦那が顔を押さえながら睨んでくるので笑い返しておいた。すると、話を邪魔されぬようにだろうか、土方さんがその間のカーテンを勢い良く閉めた。
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時