第二百十六訓 ページ30
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毒そのものがあるだから解毒薬も何処かにある筈。ただ、この状態で探しに行くのは少々、かなり厳しい。
どうしたものかと打開案考えていると、階段の上で高みの見物を決め込み「まだ生きてるなんてスゴいね」と、笑顔を崩さずに言うのは神楽ちゃんの兄。
そろそろあのテンションが鼻に付いてきた。
神威「その毒、象を30秒で殺せるものらしいよ。オネーサン強いね。やっぱり"鬼子"だからなのかな?」
「…女の子と、象を…比べるもんじゃ、ありません」
神威「褒めたつもりなんだけど…覚えておくよ」
こんな奴と話している場合ではないし何で声出すのも辛いのに返答してあげたんだろう私。あれか、象と比べられたからか。
彼に注意は出来たし、これ以上は時間と体力の無駄だと会話を止め、刀を握る手に力を込めて何とか踏ん張り立ち上がる。
しかしそれが仇となったのかまた吐血をしてしまい、膝に手をつき呼吸を整える。毒強力過ぎでは?
そろそろ動かなければ本当にマズいのに。頭を掴まれていた旦那なんか鳳仙の右眼に月詠さんに借りた煙管を刺して怯ませているし。
この隙に斬りかかるのが一番理想的だが、そんな余力はなく、立っているのでやっとだ。
私が動けていれば、鳳仙に致命傷は与えられた。
なのに動けなかった自分の無力さに呆れてしまう。
晴太「銀さんんん!!A姉ェ!!」
声がした方にハッとして振り返ると、神楽ちゃんの兄と同じく階段上にいる晴太くんが、私達を見てそう叫ぶ。と思ったら後先考えず此方に来ようとしたので、旦那が来るなと制した、
坂田「何してやがるてめェ、さっさと行かねーか。母ちゃん連れて吉原から早く逃げんだよ」
晴太「い…いやだ!!二人を置いてオイラ達だけ逃げ出せっていうのかよ。そんなマネ…こんな事に巻き込んでそんなマネ絶対できるかよ…」
巻き込んだ、というよりは勝手に首を突っ込んだ、の方が正しい。
晴太くん達に何かあれば此処に来た意味がない、と旦那が伝えるも「役には立てないけど助けたい」とまで言ってくれた。
きっと心の底から思って言ったのだろう。もし同じ年頃の子がこの場にいたらビビって逃げ出すに決まっているのに。あの子は優しい子だ。
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時