第二百十三訓 ページ27
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鳳仙が急にその話をし出したのには大方察しがつく。
どうせ私の目が赤く色変わりし、身体から痣が出てきたからなのだろう。いつも着ている制服ではないから痣が見えやすいこともある。
確認すると左手首付近まで炎の形のような黒い痣が伸びてきている。痣は首の左辺りを中心として伸びるので、これは顔の近くにも出ているかもしれない。
ここまで出たことはここ最近なかったのだが鳳仙という強敵を前に少々力んでいるのか、どういう理由にしろ、嬉しいことでは決してない。
そんな私の姿を見て旦那も察したのか「…鬼子ってなんだよ」と真面目な声色で聞いてきた。私の事を話してる場合じゃないと思うのだが。
「年寄りに勘違いは付き物ですし、どっかの誰かと見間違えてるんじゃないですかね。鬼子なんてそんな大層なものじゃないですから」
坂田「…平気なのか、それ」
「別に何とも。格好が変わっただけで後は平常運転です」
戦いに集中したかったし、自分語りは好きではない。しかもこんな開けた場所で。
それが何となく伝わったのか、珍しく心配してきた気持ち悪い旦那も鳳仙に目線を置き直し「後で詳しく聞かせろ」と言って鳳仙の元へ走る。それには「気が向いたら」と冷たく返し、私も後を追う。
この人に力任せに行っても全く意味がないので、二人がかりで向かい、攻撃を繰り返す。
素早く動き、鳳仙との戦いの前に拝借したクナイを投げて隙を突こうと狙うも、弾かれて逆に私の腕にクナイが掠る。痛い思いをしただけだった。
どの攻撃も決定打には欠けてしまう。こんなにも決まらないのは初めてだ。
旦那との二人がかりでこの現状に若干の苛立ちを覚えるも、こういう時こそ冷静にと自分を落ち着かせる。
鳳仙「面白い身のこなし方だな…だが、そんな中途半端な力ではこの夜王は倒せんぞ!」
「だからその上から目線がムカつ…っ、!」
振った刀は番傘で弾かれ、その腕をガシッと掴まれた。そこから切り返す間もなく蹴りを入れられ吹き飛ばされる。
何が"中途半端な力"だ。全力出したら自我持ってかれるんだよ馬鹿。詳しく知りもしない癖に博識振って人のこと語るなハゲ。毛根死滅しろ。
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時