第二百九訓 ページ23
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坂田「過分な心遣い有り難いがそいつは遠慮するぜ。こんな所で酒飲んだって何も旨かねェ。俺ァてめーの
男の極楽、吉原桃源郷。
男にとっての天国でも女からすれば地獄以外の何物でもないだろう。自由なんて此処ではあり得ない。入ったら死ぬまで檻の中で暮らすのだ。
上っ面の笑顔を向けて取り繕って、それで本当の幸せが彼女達の元に訪れるだろうか。答えは、否だ。
そんな事は彼女達が一番分かっているのだろう。けれど、分かっていても何も出来ない。諦めるしかない。だから夢物語で終わってしまう。
そんなの、辛すぎるじゃないか。
坂田「鎖で繋がれた女から酒なんざ注がれても何も旨かねーんだよ。泣きながら酒なんて注がれても何にも旨かねーんだよ。女の涙は、酒の肴には辛すぎらァ」
薄汚いスナックでも、悪辣なキャバ嬢が蔓延るぼったくりバーでも、みんなが笑って酒を飲めるならそれがいい。屋根もない野原でも、月見て安い酒を飲めるならそれがいい、と。
目を腫らしている"親子"を軽く見て、鳳仙に視線を向け直し、真剣を構える旦那がそう言う。
ああそっか、木刀はさっき投げたから扉に刺さったままなのか。空気と同じ扱いの私が拾いに行ってあげよう。空気と同じ扱いの私が、拾いに行ってあげよう。大事な事なので二回言いました。
鳳仙「鎖を断ち切りに来たか。この夜王の鎖から日輪を…吉原の女達を解き放とうというのか」
坂田「そんな大層なモンじゃねェ。俺ァただ旨い酒が飲みてーだけだ。天下の花魁様にご立派笑顔つきで酌してもらいたくてなァ」
鳳仙「…フッ、女を連れて来た身で言うではないか。吉原の女達を解放する為ならば、たった一人の女の犠牲は厭わないとでも申すか」
…えぇ、ここで私の話題に移るんですか。つーか死ぬ前提で話すの何。夜兎って皆そうなの?
扉に刺さった木刀を抜き、鳳仙の方を見るとバッチリと目が合う。私を見る見下げた目がとても不愉快だ。
きっとこの人にとって女性は弱く、況してや盾突くような存在ではないのだろう…尚更腹が立つ。
鳳仙「…貴様は、それで良いのか」
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凛音 - みんな春雨春雨言うからチャプチェ食べたくなってきた((( (2022年3月22日 15時) (レス) @page12 id: 7001d6b560 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - なのはさん» 本当に更新しないですよね、、、いやすみません。亀でごめんなさい。続編ではもっと更新早くしますので、、! (2020年4月23日 0時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新しないのですか?楽しみです! (2020年4月17日 0時) (レス) id: 122a982782 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ばるさん» わざわざご丁寧な説明ありがとうございます!登場してもちょろっとしか夜兎の皆さんが出ていないのでこれから出していけたらいいなあ…と思っております笑 (2020年3月31日 13時) (レス) id: a37c2613c3 (このIDを非表示/違反報告)
ばる - 確認したところ変わってしまっていますね(-_-;)これからはこちらのiDになると思います!こちらのiDからも変わらず応援していきますね!!遂に夜兎の登場(o_o)楽しみです!! (2019年11月29日 12時) (レス) id: b61d069a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年10月23日 20時