【銀魂】今日もお江戸は平和です ５

第二百七訓 ページ21

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吉原にいることが悟られぬよう、且つ心配をかけない為に私の考えた中で一番の策だった書き置きをしたのに、まさか旦那に文句を言われるとは思わなかった。



「吉原にいることは言わない方がいいかなと思って」

坂田「何でわざわざその言葉選んだわけ！？お前それ、俺が関わってる事知られたら面倒くさくなんだろ！！」



ちょっと考えれば分かんだろ、と過ぎたことをネチネチ言う旦那の言葉を右から左に聞き流し、口を開く。



「面倒事なんてお互い慣れっこでしょ。死にに行くような事だって今までごまんとありましたし」

坂田「夜王はヤベーだろ夜王は。名前に王ついてんだぞ。そうそう聞かねーよ、王がついてる渾名なんて」

「ビビってんスか？」

坂田「ンな訳あるか。お前ホント人煽るの好きな」



旦那に言われたくないのだが。その言葉は口には出さないでおいた。確かに王がついてる渾名はあまり聞かないし、シンプルに呼ばれると恥ずかしいと思う。あくまで個人の意見だけれど。



「まァ今回はワンチャン死ぬかもしれないですけど。夜王相手の喧嘩は割と笑えないですから」

坂田「ふざけろよ。こちとら残機一機だぞ」

「安心して下さい。こう見えて私ヒーラーなんで、HP回復は御茶の子さいさいです。死なせませんよ」

坂田「現実にヒーラーなんていねーよ。お前も前衛に来い」

「それ言ったら現実に残機なんてありませんからね」



私の発言一つ一つに文句を言ってくるのでもう黙ることにし、代わりに"面倒臭い"という顔で返す。終いにはそれにも反応してきて、鬱陶しいにも程がある。


そうこうして走っているうちに、風格のある男性、恐らく鳳仙と晴太くん、それから神楽ちゃんのお兄さんが扉の前に立っていた。



「あらら、いきなりボス戦始まっちゃいますよ旦那。まだ中ボスとも戦ってないのに」

坂田「寧ろ好都合だろ。手間が省けてラクじゃねーか」

「体力回復しなくて平気ですか？」

坂田「満タンだわ」



そう言うや否や、少し揉めている様子が見て取れたがお構いなしに旦那が木刀を前へと投げる。

するとそれは晴太くんの目の前の扉に刺さり、閉ざされていた扉がゆっくりと開いた。中には涙を流している綺麗な女性がいて、一目で晴太くんの母親、日輪太夫だと分かった。



坂田「オイオイ聞いてねーぜ、吉原一の女がいるからっていうから来てみりゃよォどうやら子持ちだったらしい。

店長新しい娘頼まァ、どきついS Mプレイに耐えられる奴をよ」



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