【銀魂】今日もお江戸は平和です ５

第百九十七訓 ページ11

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新八「なんで…なんでこんな所に夜兎が…！！」

「折角用意してくださったのに残念。逃げ道にも手が回っていたとは」

月詠「違う。あれは鳳仙の回し者じゃない。あれは…」



あれは、の続きが気になるがそれを遮り「ガキをよこせ」と低い声を出したその人。ガキとは十中八九、晴太くんのことだろう。

人数的には此方の方が多いのにどこか安心できない。本能的に体が反応しているのだ。



神楽「アイツ…とびきりヤバイ匂いがするアル。幾多の戦を生き抜き染み込んできた血の匂い…本物の、夜兎の匂い」



珍しく冷や汗をかきながら神楽ちゃんがそう言い終わると、ほぼ同時に、その人が此方に向かって来た。


真っ直ぐ晴太くんを狙って来たが戦闘態勢を組んでいたので月詠さんが素早くクナイを投げ立ち掛かる。

が、番傘で塞がれ死角からの攻撃も口で受け止められ頭から思い切りパイプに打ち付けられてしまう。



新八「月詠さんんん！！」

月詠「早く！！今の内に逃げろ！！」



容赦のなさ過ぎる攻撃に応戦しようと二人の元へ向かう。晴太くんは旦那が近くにいるので平気だろうと信頼も込めて。

しかし、向かう前にパイプ下からの攻撃。それは段々と晴太くんの方に向かっていき、応戦ではなく下から卑怯に攻撃をしてくる奴の位置を狙い、刀を真っ直ぐに突き刺した。



新八「攻撃が、止んだ…！？」

「……いや」



…刺した刀が抜けない。


瞬間的に刀を手から離そうとしたが、それより早く刀を下から引っ張られ釣られるように体も下へ。余りの速さに受け身も取れず、鉄パイプに顔面直撃。


何故こうも上手く体と心が連携しないのか。
…これは絶対着物のせいだ。そうに違いない。



新八「Aさんんん！！」

「…痛ェな、お嫁にいけなくなったらどうすんだよ」
　(↑イライラすると口が悪くなるタイプ)



新八くんの呼ぶ声が聞こえた気がするが応える間もなく、起き上がった時には晴太くんを庇うようにして立つ旦那に攻撃が向けられ、番傘で腹を突かれていた。



新八「夜兎が…二人…！！」



私達がいる方に旦那が吹き飛ばされ、囲まれる形になる。ただ一人、晴太くんを除いて。

下から出てきた奴が旦那を吐き飛ばした際に晴太くんを捕らえたのだろうと、冷静に状況を整理する。


刀を突き刺した時、確かに手応えはあった。その証拠に下から出てきた奴は右肩から血を流している。ピンピンしてるのが少し、いや、かなり気に食わないが、夜兎の生命力凄いな。



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