第九十七訓 ページ3
.
そんな出来事が三時間程前。
初めは真面目に監察をしていたが、敵方が動きを見せないので流石に飽きた。三時間前から変わらず双眼鏡で敵の動きを見続ける山崎は監察のプロと言ってもいい。
暇なことに加え、眠気が襲いかかってきた。何も無い部屋なので暇つぶしには山崎を使うしかなく、後ろから近寄りその背中に自身の頭を繰り返しぶつけ邪魔をする…どうしよう、余計眠気が襲ってきた。
山崎「Aさん」
「ん」
山崎「暑いです」
「ん」
山崎「はぁ…」
敵の様子を尋ねると「全く動きません」と、この会話も数度目になる。これだから監察は嫌なんだ。パッと行って済ませればいいものをダラダラと無駄に時間を過ごしていく。
今回の場合、敵の全体像と拐われた場所さえ分かっていれば十分だと思うが。
「捕まった子達の様子は?」
山崎「そこまではここからじゃどうにも…」
「じゃあ私達も誘拐されるか」
「潜入捜査みたいに」と付け足すと、危険だと渋る山崎。その危険が私達のことではなく捕まった子達に向けても言っているのは分かっているが、このままでは何も始まらない。
「バレないようにすればいいの。変装だってしたことあるでしょ?」
山崎「それはそうですけど…」
「なら私一人で行くから、服貸して」
山崎「…分かりましたよ、俺も行きます。Aさん騒がしくしないで下さいね!バレちゃいますから」
「余裕」と答えると「女の子にデレデレしないで下さいね」と呆れた目をするので「するかボケ」と返し、誘拐される為の準備をする。
この言い方はおかしいが、実際そうなので身支度を整えつつ土方さんにその旨を電話で伝える。
意外にも快く承諾を貰え、山崎に代われと言われたたので大人しく電話を代わる。こちらの様子を伺いながらコソコソ話す姿に疑問を持つが、その理由もすぐに分かった。
近藤『聞いて驚けよ山崎!!なんと前から話してたお通ちゃんが一日局長を務めてくれることになったんだ!これで真選組の信用は回復できること間違いナシだぞ!!』
山崎「きょ、局長声大きいです!あんまうるさいとAさんにバレちゃ…」
「へぇ〜お通ちゃんが一日局長してくれるんだ」
山崎「ヒッ」
話していた相手が土方さんから近藤さんに変わったことは問題じゃない。問題なのは話の内容だ。ビビる山崎と『…しまった』という声が携帯から聞こえてきたが、もう遅い。
私に隠れて随分と楽しそうなことを考えてるじゃないか。
.
253人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クローバー - タイトルの第が大になっていますよ (2022年10月23日 19時) (レス) @page25 id: f7867713b9 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ミクさん» 洒落にならない数々のミス申し訳ありません。一通り目を通し修正してきました。ココがまだおかしい、という箇所がありましたらお手数ですがまた教えて頂けると幸いです。すみません。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 時々、坂田「銀さんたぶらかして」みたいな感じになって最初の「の前の名前が違っていることがあります (2021年8月5日 13時) (レス) id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - MEIさん» ありがとうございます!テスト、なんとか終わりました!!テストお疲れ様です!2週間以上も前ですけど(笑) (2019年6月7日 7時) (レス) id: bb6b3491df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊ひな | 作成日時:2019年5月12日 12時