第三十四訓 ページ35
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よりによって江戸で一番治安が悪い所に行ってるなんて。まだいるかもしれないのでかぶき町に早足で向かう。
ちなみに今は一人。みんなとは別々で移動した。だから別にはぐれた訳じゃないから。気づいたらいなかったとか、そういうのではない。決して。マジで。
そうこうしてる内にかぶき町に到着。かぶき町も広いから早く見つかると良いのだが。
道行く度に並んでいる甘味処などの甘い誘惑を我慢して歩くこと数分。よく見慣れた顔がお団子を食べていた。あの特徴的な髪色は、彼女しかありえない。
「神楽ちゃん?……と、そよ姫様?」
「A!!」
「A…さん?」
いた。そよ姫様いたわ。
神楽ちゃんと一緒にお団子食べてましたよ、お姫様。
「そーです。Aですよ、そよ姫様」
「お久しぶりです」と笑いかければハッと目を見開くそよ姫様。思い出してくれたのかな。
「二人、知り合いアルか?」
「昔ね、私がそよ姫様の遊び相手をしてたことがあったの」
まだ真選組がなくて、浪士組だった時だから…そこそこ前の話。
懐かしい。世話係みたいな感じだったけれど、じいやさんに物凄く睨まれながら遊んでいた。忘れてしまったかと心配したが、ちゃんと覚えててくれたらしい。良かった良かった。
……いや、思い出してる場合じゃなかった。
「そよ姫様、皆が心配してます。帰りましょう」
少々酷かもしれないが、こればっかりは仕様がない。手を差し出せば、ゆっくりと手を伸ばしてくる。が、それは神楽ちゃんに止められた。
「A待ってヨ!そよちゃん、ちょっと外で遊びたかっただけネ!!もうちょっとだけいいでしょ?」
そよちゃん、なんて可愛らしい呼び方をして、今日一日で友達になったのだろう。
だがこれは困ったことになった。ここで無理矢理連れて帰れば私が悪者になってしまう。
「いいの神楽ちゃん。Aさんを困らせたくないし、最初から一日だけって決めていた。私がいなくなったら色んな人に迷惑がかかるもの…」
言いながらも表情は暗い姫様。一層の事許してしまおうか。ぶっちゃけ、私がいれば何とかなるっちゃなると思う。
一人であれこれ考えていると「その通りですよ。さァ帰りましょう」と、聞き慣れた声の聞き慣れない敬語が聞こえ、振り向くといたのは土方さん。
敬語が似合わないと思ったのは、ここだけの秘密だ。
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柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時