第三十訓 ページ31
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「正しくは鬼の末裔か」だとかニヤけながら言ってくる高杉。刀を構える私に対し煙管片手に立つ姿は些か不釣り合いだ。
「鬼は私の上司なのであって私じゃありません。残念ですね、人違いです」
「さっきとは変わった目の色、首元近くに出てくる痣。見る奴が見りゃァ誰でも分かるさ」
気を付けてはいたが、どうやらつもりだったらしい。
もう夜で暗いからとなんとなく安心していたが、今度からはもう少し気を配らなければ。しかしなぜ高杉がそのことを知っているのだろう。
「天人とは違う。地球に昔からいたとされる鬼を祀ってきた村では鬼の血を引いて生まれてくる子がいるらしいな…それがお前だろ、中嶌A」
「人様の個人情報をベラベラベラベラと…私のストーカーが何かですか?気持ち悪ィ捕まれよマジで」
「ストーカーじゃねェ。知り合いに詳しい奴がいてなァお前のことよく話してるよ」
「それって…」
「Aさん!!」
ツッコミを入れてくれたのに少し喜びを感じたのも束の間、後ろから聞こえた私を呼ぶ声に振り向けば総悟がいて、気が付けば高杉と話してる間に騒ぎは収まっていた。
「こんなとこで何してたんでィ。土方のヤローがあんたのこと探してましたぜ」
「私は…」
さっきまで高杉がいたであろう場所に視線を向けるも誰もいない 。聞きたいことがあったのだが逃げられてしまったようだ。逃げんの早杉。
「高杉捕まえようとしてた」
「その高杉はどこに?」
「…逃げられました」
「……土方さんに言ったら怒られるだろうな〜」
「それだけは止めて。お願い、300円あげるから」
言わなきゃよかった、と後悔するも少し遅かった。
高杉に私のことをよく話している"知り合い"とは一体誰のことなのか、見当もつかないけどここまで詳しく知っているとは驚きだ。
…村出身の人?そんなはずはない。村はもうないし私以外全員死んだ。…では誰が?
考えてもまっっったく分からないので考えるのは止めよう。今は総悟をどうやって口止めするかだ。
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柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時