【銀魂】今日もお江戸は平和です

第三十一訓 警察は祭りの日も仕事篇 終 ページ32

.



「…今までどこ行ってやがった」

「あはは、土方さん顔が怖いで…そんなこともなかったですすいませんでしただからやめて無言でこっち来るの止めて怖いです」

「どこ行ってた」



ここで正直に高杉捕まえようとしてた。なんて言ってはいけない。理由は簡単、始末書を書かなければいけなくなるからだ。

カラクリ技師を捕まえようとしてた、も良くない。実際逃げられたのだし(総悟に聞いた)、始末書を書かなければいけなくなるから。


正解は、こうだ。



「逃げ遅れた人たちを誘導してました」



はい完璧。「ここは土方さんがいたので大丈夫だと思って」なんて言えれば、尚良し。その後の説教は適当に聞き流してても大丈夫。ほら、もう何処か行き始めた。



「Aさん高杉見つけてたらしいですぜ。結果逃げられちまったらしいですけど」

「総悟く〜ん？３００円あげたよね？」

「俺ァそんな安い男じゃないんで」

「今はそーいう話をしてるんじゃないの。ちょっと此方にいらっしゃい」

「オイ」

「……ははっ、」



…不味いな。逃しただけでも問題なのに、嘘を吐いて挙句バレたとなればまた騒ぐぞあの人。仕事量も増えるに決まっている。全てはあのドSのせいで。

正直に言えばいい？明日の非番なくならないよね？



「高杉に会ったのか」

「….会いました。逃げられたけど」



不服だが、潔く諦めよう。不服だが。そうして俯きながら次の言葉を待ってると「何もされなかったか」と聞かれた。

予想の斜め上をいく発言に頭が追いつかない。反応しない私に聞こえてないと思ったのかもう一度言ってきた。…なんだこの人。



「別になんとも…」

「そうか」



普段の彼からは信じられないような対応に軽く戸惑った。これはあれだろうか、世間一般で言う…心配を？

戸惑いが顔に出過ぎていたのか、眉間にしわを寄せながら「心配しちゃ悪いのかよ」と。



「え、ちょっ、土方さんが人の心配？やだめっちゃ優しいじゃないですか…マヨネーズひいたんですか？お願い土方さーん帰ってきてー」

「ここにいるわ！！マヨネーズひいたって何だよ！！風邪ひいたみたいに言うな！！」



今の私の顔は凄いニヤニヤしてるのだろう。だって今の土方さん最高に面白い。これおかずに米食える。



「ツンデレかよ〜何だよ土方可愛いなコノヤロー」

「うっぜぇ！こいつうっぜぇんだけど！！」

「何照れてんだよ死ねよ土方コノヤロー」

「お前まで混ざって来なくていいわ！！」



.

第三十二訓 お姫様捜索篇→←第三十訓

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す