第十七訓 ページ18
.
もぐもぐとパンを食べていたら土方さんに文句を言われたが、山崎が仕事そっちのけでミントンしてるのを見つけて走り去って行く。ドンマイ山崎。
「総悟よォ、あんまりごちゃごちゃ考えるのは止めとけ。目の前で命狙われてる奴がいたら良い奴だろーが悪い奴だろーが手ェ差し伸べる。それが人間のあるべき姿ってもんだよ」
またもカッコいいことを言った近藤さん。スタスタ歩いて行くカエルを慌てて追いかける姿はあまりカッコ良くなかったけれど。
「はあ〜底なしのお人好しだ、あの人ァ」
「あはは、敵わないよね」
メロンパンを食べ終わり、そろそろ本気で仕事をしようと立ち上がる。カエルと近藤さんの姿を遠目に見た時、カエルの体に不自然に揺れる赤い点がついて…
「しまっ…」
た、と言い切る前にドォォォンと鳴る銃声。今一番聞きたくなかった音が、辺りに響き渡る。
「局長ォォォ!!」
狙われていたのはカエルな筈なのに、何故近藤さんが倒れているのか。何故、血を流しているのか。
…身を挺して庇ったのか、この人は。
近付いた時には異変を察知した多くの隊士が近藤さんの元に駆け付けていた。冷静沈着で定評のある総悟は声を大にし近藤さんの名を呼んでいる。
「近藤さん!しっかり!!」
「フン、猿でも盾代わりにはなったようだな」
瞬間、顔つきが変わった総悟。刀に手を掛けようとした所をすんでのところで刀をグッと掴み、止める。
「止めとけ、瞳孔開いてんぞ」
土方さんの声で少しは正気になったのか最悪の事態にはならなかった。いや、もう最悪の事態か、これは。
荒立っているのは総悟だけでなく私も同じで、落ち着こうと目を閉じ深く深呼吸をする。大丈夫、近藤さんは致命傷じゃない。ただ気絶しているだけ。
「お前もだよ、痣出てきてんぞ」
突然呼ばれドキッとする。ココ、と指されたのは首元で。まさか出ちゃうとは思わなかったのでそれだけ自分が感情的になっているのだと、心の中で苦笑する。
「目も赤ェですよ」
「…ほっとけ」
.
758人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柊ひな(プロフ) - サヤ&アキさん» 紅桜篇は書いてません!書く予定もないです。紅桜篇で真選組が登場するのは劇場版で、中嶌単体で出す案も考えたのですが無理矢理感が出ると思いやめました。吉原炎上篇も同じ理由で書く予定はなかったのですが書かないと新キャラ二人の出る機会がないと思い書きました。 (2021年3月3日 11時) (レス) id: 7c8f4bb7ef (このIDを非表示/違反報告)
サヤ&アキ - 紅桜編ってどこですか? (2021年3月3日 0時) (レス) id: a63af908e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» 私の紛らわしい言い方で気を遣わせてしまいすみません…不快だなんて全く思ってないです!わざわざ応援までありがとうございます(泣) 更新頑張ります! (2020年5月20日 17時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
黒華(プロフ) - この間のコメントに不快を感じさせてしまっていたらすみませんm(*_ _)m物語シリーズを作者様が知っていたことが嬉しくて『おぉ!!』って思ったんです。銀魂な感じが出ている作風でとても好きです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 15時) (レス) id: 0ab52dedef (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - 黒華さん» そりゃ丸パクリして使われてたらゾワッてしますよね…笑 (2020年5月20日 15時) (レス) id: 3fe6b67371 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柊ひな | 作成日時:2019年4月6日 23時