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マンションの地下駐車場は
ヒールの音がやけに響く
車高の低い、艶のある黒いボディの外車
わたしでも知ってる高級車の前に足を止めた彼は助手席のドアを開き
紫耀「乗って」
わたしを助手席へと座らせた後
運転席へと乗り込んだ
紫耀「…ごめん。これだけ被ってて」
ダッシュボードから帽子とサングラスを取り出すと
申し訳なさそうにわたしに帽子を渡した
それを受け取ると、わたしは言われるがままにそれを被る
そうだよね…
改めて彼がアイドルの平野紫耀だということをわたしは実感する
そんなわたしを横目に彼はサングラスをかけると
静かに車を発進させた
地下から地上へ上がり夜の景色が飛び込んでくると
それはやっぱり、現実の街で
これ、いくら帽子をかぶってても撮られたりしたらまずいんじゃ…途端にそう思い
顔を少し下に向けてみる
紫耀「そんなビビんなくても大丈夫だよ笑」
不自然に下を向くわたしを面白そうに笑った彼は
片手でハンドルを握りながら
今ではあまりみなくなったマニュアル車を
スムーズにギアを切り替えながら器用に操作する
振動もなく、滑らかに進む車
運転も上手なんて…どこまで女を虜にすれば気が済むんだろう
他人事の様にそう思いながら
綺麗な横顔を見つめていた
紫耀「家、どのへん？」
急な問いかけに、慌てて彼から目を逸らし
周りの景色を確認すると
A「…あの、この道を真っ直ぐ行ったところで」
もうすでに見えていた自宅のマンション
A「あっ、…そこ！そこのマンション…です」
紫耀「えっ？！えっ、待って、こんな近いの？」
A「…だから、近いって行ったじゃないですか…」
紫耀「いや、さすがにこんな近いと思ってなかった笑」
口を大きく開けて爆笑した彼に
思わずわたしも笑ってしまう
紫耀「…やっと笑った」
A「…え？」
紫耀「Aさん、さっきからずっと難しい顔してたから
クールなAさんもいいけど、その方が断然かわいい」
A「…なっ、か、かわいいなんて…やめてください
もうそんな歳でもないし」
かわいいなんてただでさえ言われ慣れてないのに
途端に熱くなった頬に気づかれたくなくて
照れてるなんて、気づかれたくなくて
そんなことしか言えないわたしはやっぱり
かわいくなんて、ないと思う
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たむ - めちゃくちゃ面白くて引き込まれました！！これを楽しみに仕事頑張ります！！更新される事を待っています(>_<) (2021年7月4日 3時) (
レス) id: 7855f798e1 (このIDを非表示/違反報告)
サンリオ(プロフ) - 更新されていて嬉しいです。ありがとうございます (2020年3月14日 16時) (レス) id: ff278406bf (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 初めまして。読ませて頂きました。確かにきっかけは何でもいいとおもいますよね。人を好きになるって力をくれますが…切なさとかもあったりして色んな感情を与えてくれたりしますよね。お話し楽しみにしてます。 (2020年3月14日 11時) (レス) id: a9f033db9b (このIDを非表示/違反報告)
Azuki(プロフ) - 初めまして。更新ありがとうございます！素敵なお話で楽しみにしていました。続きもとても気になります！応援しています。 (2020年2月27日 20時) (レス) id: 8005b02827 (このIDを非表示/違反報告)
わわ(プロフ) - みゆさん» コメントありがとうございます！！更新がんばります！ (2020年2月2日 21時) (レス) id: 1ed40d5049 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わわ | 作成日時：2020年1月25日 19時
