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小綺麗に統一された白い扉を手の甲で2.3回叩くと中から聞きなれた声が聞こえた。

優しく扉を開けると英智は柔らかい笑顔を私に向けていた。
私が来るまで読んでいたのか、彼の手には資料のような紙の束があった。


「タイミング悪かったかな」

「大丈夫だよ
どうせ、読む作業をしていただけだしね」


閉じた紙の束をそっと撫でながら彼はそう呟いた。
私は軽く相槌をうって彼の元へ近づいた。

ベッドの傍にあるパイプ椅子の上に腰掛ける代わりに自分の荷物を置いた。


「体調はどう?」

「もうかなり良くなったよ
ベッドの上が退屈なくらいだ」


彼の言動からも伺える通り、随分と顔色がいいように見えた。
私は安堵見せるように少し微笑むと棚の上に置かれた花瓶に手を伸ばした。


「渉を誘ったんだけど、部活があるから難しいって言われちゃった」

「そうか…
彼は相変わらず忙しく生きているんだね」

「そんなこと言ってると夜にもひょっこり現れたりして」


特に意味もない会話をしながら、私は花瓶に刺さった萎れかけの花をゴミ袋に捨てた。
洗面所に行き中の水を捨てると、数回中をすすいだ後新しい水を注いだ。


「君もこんなところに通っていてもいいのかい?
fineのことを君に任せてしまっている僕も僕だけれど」


花瓶を持って彼の近くに戻ると彼は不機嫌なのか心配なのかよく分からない表情を浮かべていた。


「桃李は1年生だからまだまだ実力は足りないけど、あの子は努力の子だから大丈夫だよ
弓弦はそつなくなんでもこなせるし、後は経験値かな」


私は彼にそう言い放つと買ってきた花を花瓶に生けた。
そして元の場所に花瓶を戻して、花の向きを少し整えた。


「それに、あなたもfineでしょ?」

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設定タグ:あんスタ , 天祥院英智 , 斎宮宗   
作品ジャンル:アニメ
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chika(プロフ) - もち明太さん» コメントありがとうございます!渉との関係性がとても重要なのでそう言って頂けてとても嬉しいです…!更新頑張ります!見守っていてくださると嬉しいです (2021年6月9日 0時) (レス) id: f3305d13ec (このIDを非表示/違反報告)
もち明太(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。好きすぎてびっくりしました…渉が…渉が好みすぎて……。ご無理のない範囲で更新頑張ってください(*^^*)応援しております (2021年6月7日 23時) (レス) id: c849447eb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chika | 作成日時:2020年10月24日 1時

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