25. 過去編 ーエレメントー ページ26
朔間さんと別れたあと、私は本来の目的である生徒会室へと向かった。
しかしそこには英智くんの姿はなく、図書室や教室に行っても見当たらなかった。
校内を探していると佐賀美先生と出会い、英智くんは今保健室にいると教えてくれた。
佐賀美先生によると英智くんは倒れてつむぎくんが保健室に運んできたらしい。
最近は金星杯に向けての準備に追われていたし、体調も良くなさそうだったからそのせいだろう。
保健室に着いて中に入るため扉に手をかけた時、中から声が聞こえた。
思わず手を止めて、中の声に耳を済ませた。
「それを言ってしまったら、私はあなたのことを軽蔑します
アイドルならば、その言葉は心の奥にしまっちゃいなさい」
「ずるいな…的確だ
そんな君だからこそ僕は…」
「日々樹くん…？」
どうやら渉が来ていたようで、英智くんが渉の名前を呼ぶのを最後に声は聞こえなくなった。
扉は開いていないのに渉の気配が消えた。
窓から飛び降りたのだろうか。
気になって扉を開けると、予想通りもう渉の姿はなかった。
「入るね」
私はそう言って保健室の中に入り、英智くんの傍に近づいた。
「体調大丈夫？」
「うん、大丈夫だよ
僕に用事かい？」
「あ、明日の準備終わったよって言おうと思ってて…」
「そうか、ありがとう
じゃあ帰ろうか」
英智くんはそう言ってベッドから立ち上がろうとした時、苦い顔をしてその場に崩れ落ちた。
「大丈夫？？」
私はびっくりして英智くんに駆け寄ると、彼は強く拳を握りしめていた。
「もう少し休んでいた方がいいんじゃない？」
「…大丈夫だよ
迎えが来ているはずだから…」
「わかった
じゃあ手を貸すから捕まって」
私がそう言うと英智くんはじっと私を見つめた。
私は英智くんが私を見つめる意味がわからず首を傾げた。
「…ごめん、ありがとう」
英智くんは急にハッとした顔をして、急いで私の手を掴んだ。
「歩けそう？」
英智くんは立ち上がる時に少しよろけたが、私の力でも支えられる程度だった。
英智くんが少し呼吸整えたのを確認すると、近くにあった英智くんの荷物を手に持った。
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chika(プロフ) - もち明太さん» コメントありがとうございます！渉との関係性がとても重要なのでそう言って頂けてとても嬉しいです…！更新頑張ります！見守っていてくださると嬉しいです (2021年6月9日 0時) (
レス) id: f3305d13ec (このIDを非表示/違反報告)
もち明太(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。好きすぎてびっくりしました…渉が…渉が好みすぎて……。ご無理のない範囲で更新頑張ってください(*^^*)応援しております (2021年6月7日 23時) (レス) id: c849447eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chika | 作成日時：2020年10月24日 1時
