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DDD当日、学院のほとんどが参加する大きなイベントは会場も学院の各所に配置され多くの観客が押し寄せる。
私は朝からその準備や調整で駆け回っていた。
DDDはトーナメントだ。
つまり初戦が一番参加グループが多い。
後になるにつれて楽になるとは分かっていても、こうまで走り回っていると決勝までに私が先に終わってしまいそうだ。
辺りを見回すとステージによっては初戦が既に始まっていた。
始まるまでにはfineのところへ行きたいと思っていたけれど、このままだといつ合流できるかどうか…
連日追い込むように準備をしていたせいで疲れがかなり来ている。
無意識についたため息が、体に少しの脱力感を与えた。
「こんな所にいたのか」
後ろから急に声をかけられ、振り返ると蓮巳くんが立っていた。
蓮巳くん率いる紅月はDDDを手伝うために出場しないらしい。
「ここは引き受けてやるから、fineのところに行ってやれ」
「ありがとう」
蓮巳くんの世話焼きにありがたく甘えさせてもらい、私はfineのステージへ向かった。
ステージに着いた頃にはもう初戦の決着が着いていたようで、観客もまばらになっていた。
「おや、遅かったですね」
走ってきた反動で息があがっている私に呑気そうに渉は言った。
「う、うん…
勝敗は…?」
「俺たちの負けだ!」
軽快な声が聞こえ、顔を上げるとそこには流星隊のメンバーがいた。
私の問いに答えたのは守沢くんだった。
「だが、次こそは必ず勝ってみせるぞ!」
初戦から流星隊と対決したなんて…
見ると、初戦で出る予定じゃなかった英智までステージにあがっていた。
「じゃ、じゃじゃ〜〜ん!」
「次は俺たち2winkの番ですよ!」
息を着く暇もなく、突然2winkの2人は現れた。
反生徒会側の流星隊と朔間さんの元である2wink…
fineを潰しにかかってきているのは明らかだった。
2winkの2人の勢いに乗せられ、そのまま2回戦が始まった。
本気だ。
本気なんだ。
みんなこのまま英智を憎んで、恨んで、そうしたらまた、また英智が………
英智をひとりにしてしまう。
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chika(プロフ) - もち明太さん» コメントありがとうございます!渉との関係性がとても重要なのでそう言って頂けてとても嬉しいです…!更新頑張ります!見守っていてくださると嬉しいです (2021年6月9日 0時) (レス) id: f3305d13ec (このIDを非表示/違反報告)
もち明太(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。好きすぎてびっくりしました…渉が…渉が好みすぎて……。ご無理のない範囲で更新頑張ってください(*^^*)応援しております (2021年6月7日 23時) (レス) id: c849447eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:chika | 作成日時:2020年10月24日 1時