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眩しい朝日に目を細め、まだまだ眠気の抜けない身体を無理やり起こす。あ〜……と欠伸をして、卓上のパソコンの電源を入れた。ファイルの中に保存しているイケブクロの「おはようイケブクロ」をクリックした。アップテンポなイントロを聞きながら、ブラウスやスカート、ストッキングを探す。手早く着替えて、曲を聴きながら朝食を食べる。昨日の夕食の残りと炊き立てのご飯だ。もしゃもしゃと食べながら、SNSを手早くチェック。大好きなゲームの公式Twitterアカウントからの通知はない。好きな絵師さんのツイートを読んでいると、フォローしている白膠木簓の公式Twitterから通知が来た。それを真っ先にチェックしながら、朝食を終える。皿を食洗器に突っ込み、スイッチを入れた。
『行ってらっしゃい!』
曲が終わると、パソコンを閉じる。そのままかばんを持って、家の扉を開けた。
「あ〜……今日も仕事か。でも、一日頑張れば休日……っ。頑張るぞぉー!」
片手でこぶしを作り、思いっきり突き上げた。丁度、同じタイミングで出てきた隣人があっけにとられた顔をする。
「Aチャン、おはよ」
「あ、ああ……!お、お早うございます、美由紀さん!朝から騒がしくして、すみません!」
慌てて何度も頭を下げる。さっきの声を聴かれていたのかと思うと、恥ずかしくて頬が赤くなる。両頬が厚く熱を持つのが分かる。くぅ〜〜と頭を下げたまま、唸っていると、美由紀さんの快活そうな笑い声が聞こえた。
「ははは、元気があって良いじゃァないか。それよりも、早くしないと職場に遅れるよ」
そういわれ、私は慌てて腕時計を確認した。時計の針はいつも出社する時間の10分前だ。いつもは15分前に出ているので、急がないと遅刻してしまう。
「ふぇ!もうこんな時間⁉い、行ってきます!」
慌てて美由紀さんに礼をして、階段を駆け下りる。ヒールのある靴では走りにくく、こけそうになる態勢でバランスを取りながら走る。
隣の部屋に住む美由紀さんは中央区専門誌でライターをしている。食レポが専門だと豪語する彼女の知らない飲食店はないと言われている。この前に聞いた話だと、最近はアイスクリームに凝っているそうだ。たくさん食べている割にはスリム体型の美由紀さんは、水泳もご趣味らしい。こんなヲタクで、運動ができない私ともよいご近所関係が気付けたのは、ひとえに美由紀さんの人当たりの良さだ。
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一期Love(プロフ) - 簓推しなのでこの小説見つけてテンション上がっちゃいました笑私関西人なんですけど関西弁もあんまり違和感ないしキャラも上手く表現?されててスゴイなー!って思いました!これからも頑張ってください。更新待ってマス!! (2019年10月21日 21時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - レインさん» 誤植の指摘、ありがとうございます。すぐに確認させていただきますね。 (2019年10月10日 14時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 上層じゃなくて女装じゃないですか?間違ってたらすみません! (2019年10月9日 16時) (レス) id: a7f544d6f5 (このIDを非表示/違反報告)
高炉 - リつきさん» 有難うございます。楽しんでいただけて幸いです。キュンキュン、してますかね?? (2019年10月5日 21時) (レス) id: d839c37112 (このIDを非表示/違反報告)
リつき - とても良かったです!めっちゃキュンキュンしました!!!素敵な作品ありがとうございます!続き楽しみにしてます♪ (2019年10月5日 20時) (レス) id: 4bdd39adda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高炉 | 作成日時:2019年10月2日 0時