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『見えるんだよ、ぬらりひょん。私には貴様がね。これが私の畏。否が応でも相手の畏れを半減させる。だから私の畏が強ければ強い程、効力が上がる。貴様も、私に呑まれれば、丸見えだ。こんな風にねっ』

ググッ...
一気に詰め寄られ、懐に入られた。強い。
強い、奴に出会った...自然と頬が緩んだ。

「クク...半妖じゃと思って、嘗めておったわ...それに、」
『な...』
「綺麗な顔をしとるのぅ、あんた」
『っ.....!?』

コイツ、正気なのだろうか。
なまえは思った。こんな危機な状況で、何を言いだすのだ?しかも半妖だとバレている。
いつの間にか、首に突き付けた刀と腕は動かされないように固定され、空いた手で顎を掬われる。

聞き慣れぬセリフ。態度。獣の様な瞳。そして...

「しかも、ちゃんと女の匂いだ」
『!!』

耳元で鼻を寄せられ、思わず肩を震わせてしまった。咄嗟にこの羞恥から逃れるようにぬらりひょんに膝蹴りをお見舞いすると、案外あっさりと離れていった

「ぐっ...はは、相変わらず釣れない女子じゃの」
『っ今度こそ一思いに殺してやる!』

顔が熱い。意味が分からん。
なぜ私がこんな風に手間取らねばならないんだ!
勢い良く飛び出せば、また、避けられる。
くそ、調子が狂う。

「ところでおぬし、名は」
『なぜ教えねばならんのだ』
「思えばおぬしの事は知らなかったからのぅ。ワシはあんたに興味が湧いたんじゃ。ワシぁもう名乗ったぞ?」

つまり、自分が名乗ったのだから私にも言えということか。
律儀にしてやる義理はない、が。

これ以上付きまとわれる位なら、教えてやって早く逃げたい。

『.......だ』
「ん?」
『なまえ。後神と、元陰陽師の...半妖だ』

教える気など、なかったのに

「なまえ、か...、いい名じゃ。しかも陰陽師との子とは」

どれだけ興味を惹かせるのだろう
もちろん、

「また来るぞ」
『来んでいい!!!!』

玖→←漆



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作者名:ばっちゃん | 作成日時:2018年1月27日 23時

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