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138.緩んだ頬が戻らない -よじゃ- ページ41

SM「先に戻って、僕はちょっとしたら戻るから」

またね、ヌナ、と仕事の距離へとさきに線引きしてくれたのはソンミンだった。

あぁきっと、これからはこうして、公私を分けていかないといけないんだと、実感して。
立ち去る背中はとても名残惜しいけれど、じゃあまた、と歩き出す。

SM「夜、約束だからね」

そうやって、ちゃんと特別もくれるソンミンに、緩む頬のまま頷いて、そっと部屋の扉を閉めた。





人気のない廊下で、ふぅと深く息を吐いて、控室への道を急ぐ。

切り替えて、頭の中にやるべき仕事を呼び戻すけれど、どうしよう。
緩む口元だけが、どうしたって治らない。

油断すれば、蘇るさきほどまでのやりとりに、キスの感触に、顔はすぐに熱くなって。
足を止めて、頭を振って、気持ちを落ち着かせるように何度も深呼吸を繰り返すけれど。

全く無駄で。

今更ながら、ユニの器用さが身に沁みたりして。
あの子、なんで毎日あんなに平気そうなんだろう、と唸ったりする。


やっと控室の扉の前まで来て、ひとり最後の気合を入れているところで

RW「ヌナ、何してるの?」

驚いて振り返れば、今まさに頭の中で崇めていたカップルの片割れが、怪訝そうにこちらを見ていた。

「リョウクさん!…いえ、別に」

RW「入らないの?」

「入ります」

慌てて手にかけたノブは、あっさりと内側から開いて。
今度はもうひとりの片割れ、ユニの顔。


ユニ「オンニ!どこ行って…」


言いながら、ユニの顔がキラキラと輝いた瞬間、しまったと嘆いても、もう遅い。

バタっと後ろ手でドアを閉めて、

ユニ「オンニ…!オンニまさか…!!オンニー!!!」

と小声でじたばたと盛り上がる彼女を前に、思わず頭を抱えた。
何かと目ざとい彼女の前で、緩んだ口元と、赤い顔を隠しきれなかった自分が悪い。

ユニ「オンニ、今日夜空いてますか!」

「今日は…ちょっと…」

ユニ「あっ!そうですよね、いいんです!明日!明日絶対空けといてください!!絶対ですよ!」

RW「な〜るほどね、急展開」

ユニ「ちょっとー!!もうほんと!私、幸せです!」

「ユニ、落ち着いて…」

SM「時間差…あんまり意味なかったかな」


まさかの声が聞こえて、3人で一斉に振り返れば、困ったような笑みのソンミンがいて。

動揺する私をよそに、にっこり笑ったソンミンが


SM「僕のヌナをあまりいじめないで」


なんていうから。

なぜかユニが真っ赤になって、リョウクがソンミンにガルルと吠えた。

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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/  
作成日時:2013年2月26日 23時

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