ヌナ・ヌナ・ヌナ【03】 -SJ-

137.キス・キス　-ちづ- ページ40

私の名前を呼んで。
愛してる、って。


…ソンミンの声が、耳の奥、心の中にまで、静かに響く。


深くなるキスに、
気が遠くなりそう。






愛してる、


って。


前にも、聞いた。


気持ちに応えられないと言った私に、
ソンミンが去り際に残した『愛してる』。



その時には、



もう、前が見えないほどに、苦しくて。


ソンミンの優しさが、
全部、私の涙になったみたいな、


そんな風に思えた日だった。



アッパみたいに優しいイェソンが、
私に寄り添ってくれて。


私の答えを受け止めてくれたソンミン、
私の涙を受け止めてくれたイェソン、


『…愛してる！』


…いつも笑顔をくれる、ドンヘ。


一瞬でそんなことをたくさん、考えて。


ぽろり、
涙が出る。




SM「…。」


唇を離したソンミンが、
私の目を覗き込んで。


きらり。


ちょっと悪い目をして、
こう言った。


SM「…ダメだよ？」

「え…？」

SM「今僕以外のことは、考えないで？」

「…んっ」


また、唇がふさがれて。

…深いキスに、溺れそう。




SM「A…、」

「…。」

SM「今衣装のこと、心配したでしょ(笑)」

「…ごめんなさい(笑)」

SM「ドンヘのことも考えてた。」

「…。」


どうしてわかるんだろう。


SM「ねぇ。…忙しいけど。
…今日は僕のことだけ、考える時間を作って？」



ちゅ、
私の鼻の先に、かわいいキスをして。



SM「あとでいいから。
…今はもう、無理でしょ？(笑)」

「…。」


楽しそうに笑顔を見せて。


SM「ユニとジホが心配だろうから、一回戻ろう。」


ちゅ、ちゅ、
頬にキスをして。


…実は、
まだもう少し、抱きしめていてほしい、なんて。


そんな風に思ってる、なんて。
…言えない。


離れがたそうにするのに、
私のために、
そろりと体を離して。



目を見て、
きっと私が寂しそうだと思ったんだろう、



にこり、笑顔を作って。



SM「今日仕事が終わってから、会える？」

「…でも、」


言いかけた私の唇に、また、ちゅ、とキスを落として。


SM「…僕のことだけしか、考えられないようにしてあげる。」

「！」


至近距離で、それはそれは、色っぽい声で、
…意味深な…。



SM「…あ、勘違いしてない？そんな誘いじゃないから〜(笑)」

「！！…もぅ！ソンミンさん！！」


けらけら、
楽しそうに笑って。

…その手が、優しく私の頬を撫でる。



…その、優しさに包まれて。


…幸せで、涙が出そう。

138.緩んだ頬が戻らない　-よじゃ-→←136.溢れる想いをこの声に乗せて(SM)　-よじゃ-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す