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136.溢れる想いをこの声に乗せて(SM) -よじゃ- ページ39

(SM)

唖然としてピタリと動けなくなった身体とは裏腹に、頭の中に一気にいろんな思いが駆け巡った。

期待が無かったなんて言ったら嘘になる。
けれどそれは、自分のエゴが見せる、幻影のような期待だったはずで。

本当は、叶うことなんて無いと、諦めていたような期待だった。


零れる想いを持て余しては、前へと進む振りをして、結局未練がましく断ち切れなかったこの想いが、彼女の心に届いていたなんて…。


実感よりも驚きが、

幸福よりも不安が渦巻く。



SM「…なんで、僕なの?」



とんでもなく嬉しいはずなのに、

その答えが無ければ、とても前に進めそうになかった。



「…それは…ひとことでは難しいですけど…」


恥じらいながらそっとこちらを見上げた彼女は、これまで見たどんな彼女より、僕の心を掴むようだった。

苦しくて、苦しくて。
こんなにも魅力的な彼女が、自分の腕の中にいることが、訳もなく未来を不安にもさせて。
なんで僕なのか、こんな、僕なのかと、隠せない思いは表情にも現れていたはずで。

不意に、まるで慈しむ笑った彼女が、頬を緩めた。
その真っ直ぐ注がれる瞳から、目が逸らせない。


「降り積もるみたいでした…しんしんと、まるで雪みたいに、ソンミンさんがくれた言葉が、優しい思いが、どんどん降り積もって、いつの間にか胸いっぱいに積もって」


語る、その目の奥に、まるで降り積もる真っ白な雪がみえるようで


「それがとても嬉しくて、とても幸せで、」


彼女の中に、自分が重ねてきた思いが、どんどんと降り積もるようで


「…ソンミンさんが、特別な人に変わったんです」


それだけで、不安も溶けて出し、温かな幸せに心をじわりと満たされていくようだった。


「いつの間にかソンミンさんのことが、好きだって…思って…それで…」


言いながらまた赤く染まっていく頬に、ほとんどタガが外れたように、その唇を奪った。

他には手段が無くて。


もう、この想いを伝えられるだけの、言葉が見つからなくて。


「…んっ」


長く、深くなるキスに、彼女が苦しそうに喉を鳴らす。
しがみつくように、ジャケットをぎゅっと握る手に、余計に煽られるようだった。


SM「…ヌナ」


呼吸の合間に零したその呼び名に、あぁ違うと気付けば、その幸福感に胸が締め付けられるようだった。

あぁ、もう皆のヌナなんかに戻らないでよ


SM「A…」



キミの名を呼ぶよ



溢れる想いをこの声に乗せて




SM「A…愛してる」

137.キス・キス -ちづ-→←135.告白 -ちづ-



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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/  
作成日時:2013年2月26日 23時

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