134.ドンヘの精一杯(SM) -よじゃ- ページ37
(SM)
DH「あー、えーと…じゃ、そういうことだから」
勢い任せに無茶苦茶やって、結局失速したドンヘは浮いた自分を誤魔化すように、下手な笑みを浮かべて。
いまだ状況理解出来ずに凝視する僕の視線に、いたたまれなそうに唇を噛んで視線を彷徨わせた。
DH「じゃあ、ごゆっくり」
SM「は?」
DH「あ、違う、なんだっけ、とにかくサランヘ!」
おどけたつもりで作ったんであろう両腕のサランヘも、この謎の状況を加速させただけで。
結局顔を真っ赤にしながら逃げるように扉へと走っていったドンヘが、出て行く間際、思い出したように振り返ってまた
DH「ヌナ、ヒョン、愛してる!」
叫ぶから。
SM「お前、何?」
目の前で繰り広げられるひとりドタバタ劇に、思わず笑ってしまった。
SM「何がしたいんだよ」
DH「いや、あのだから、ヌナがヒョンに相談があるんだって」
SM「それはわかったけど、お前のサランヘ攻撃の意味が分かんない」
僕の胸元で、動けずに固まったまま事を見守っていたAも、つられるように小さく吹き出してしまって。
くすくすと身体を震わせては笑いを堪える振動が、僅かに触れるその腕から伝わってくる。
その距離感にもうほぼ無意識に、Aの腕に触れた。
DH「あは、ヌナが笑った」
ドンヘは嬉しそうに笑って、ヒョン、と僕を見る。
DH「ヌナが好きなんだ、…弟として、ほんと大好きなんだよ、ヌナの笑った顔が、ずっと笑って欲しいって思う。超シスコンとか、言われたっけそういえば」
へへ、と照れくさそうに笑ったドンヘに、何も返せなかったのは、その眉が困ったように下がっていたから。
DH「ヌナを泣かせたら、僕怒るよ」
多分ドンヘなりの精一杯の冗談は、全然笑えなくて。
そのまま、じゃあね、と一旦閉まった扉が、またすぐに開いて。
DH「あ、ヒョンも愛してる!」
SM「…ついで?」
あはは、とドンヘが笑って誤魔化してまた勢い良く閉まった扉から、目が離せなかった。
ふふ、と小さく笑う彼女の声が部屋に響いて。
「ドンヘさんらしい」
呟いた彼女を見下ろせば、見上げた彼女は優しい顔をしていた。
「ソンミンさんの言う通り。私、本当にたくさんの人に守られていて、その数だけたくさん勇気をもらうみたいです」
SM「…ヌナが、周りにそうしてるからだよ」
ねぇ、
どうして逃げないの?
こんな近くでそんな顔するなんてさ
ねぇ本当に
期待しちゃうよ?
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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/
作成日時:2013年2月26日 23時