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133.目一杯のサランヘ(SM)-ちづ- ページ36

(SM)

SM「ちょっと、何なの。」

DH「いいから。」

SM「何なの?」

DH「…ヒョン!」

SM「何。」

DH「サランヘ!!」


…本当に何なの?

ステージが終わるなり、ぐいぐい僕を引っ張って。
何なんだって、聞いたところでいつものかわいい顔で、
目一杯の、『サランヘ』。



本当に何なの。



バタン!



辿り着いた先で、勢いよくドアを開けたドンヘ越しに、
驚いて肩を震わせたAが見えた。


…あれ以来、
また少し、ぎこちない空気が流れる僕ら。


ここに連れてきたドンヘの意図がわからなくて、
思わず僕は身を固める。


立ち止まった僕を放置して、
ドンヘはAに駆け寄った。


DH「ヌナ、あのね。」


Aは少し、困った顔で。
ドンヘ越しに僕をちらり。


ドンヘヤ…僕に何をさせたい?
事と次第によっては、お前とんでもない地雷を踏んでるぞ。


焦った僕は、でも、Aに対してどういう顔をしていいかわからなくて。
思わず俯いた。


DH「あのね、あの…」


彼女が泣いたらどうする?
目を逸らされればどうすればいい?


困らせて。

気まずい思いを、させて。

こんなの、
…男のすることじゃない。


僕は何がしたい?

ただ、笑っていてほしいだけだと、
建前ではそう思うのに。

どうしても目の前にすると、耐えられなくて。


どうしようもなく、欲しいんだ。
…Aの、心が。


DH「僕。ヌナを愛してる。」

「!?」

SM「…!」




思わず。



息を飲んで。



顔を上げる。



驚いて目を見開いたAの目線は、
ドンヘに注がれて。


僕は何も言えずにそこに、立ち尽くして。



次の瞬間、
くるりとこちらに向いたドンヘは、

泣きそうな笑顔。


DH「ヒョン!…愛してる!」


ぐいっ。


Aの手を、強く引っ張って。
自分の体の前に、持ってきて。


後ろからAの両肩を持って、ぐいぐい、僕の方に近寄る。



その一連の、素早い動作が、
…僕にはなんだか、スローモーションのように見えた。



とんっ。

むぎゅ。



驚いて俯いたAの額が、僕の鎖骨のあたりに押し付けられて。
Aの小さい体ごと、力いっぱい抱きしめる、ドンヘの腕が僕にもぎゅうぎゅう押し付けられて。



耳元で、小さい声。


DH「ヒョン、ヌナが何か相談したそうなんだ。
…聞いてあげて?」


ぎゅう、


一瞬、また力をこめて抱きしめて。
ドンヘの腕がゆっくりと離れていくのを、


僕はまた、ぽかんとしたまま、見てた。

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舞桜(プロフ) - 素敵な作品に出会えた事が嬉しいです。これからも書き続けてください。 (2015年11月29日 13時) (レス) id: 03ef754c9c (このIDを非表示/違反報告)
井上よじゃ(プロフ) - 全然気づかず…恐ろしくお返事が遅くなりまして申し訳ありません!!(土下座)いたわりのお言葉ありがとうございます!今回の連載はいい思い出になりました♪共同執筆はなかなか難しいですが、気分はいつも2人で一つ、でこれからも頑張ります♪ありがとうございます! (2014年11月29日 23時) (レス) id: cae000c27e (このIDを非表示/違反報告)
ちづ(プロフ) - あかねさん» こんにちは、ありがとうございます♪完結まで・・待ちたい・・(汗)すみません〜、私のせいでずいぶんお待たせしましたね(><)呆れず読みに来てくださって本当にありがとうございます!最近は企画する時間もなくて・・申し訳ない(汗)当面、自分の連載がんばりますww (2014年6月22日 9時) (レス) id: dd0328dcfc (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - お二人の単独作品も大好きですが、新たな企画ものをこっそり期待しています。いつも素敵な作品をありがとうございます(^^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 連載お疲れさまでした!お二人のチームプレイは抜群ですね。私は完結まで待って一気読みしたいタイプなので最終章は目次を見ながらワクワクしていました。改めて、もう一度最初から熟読して楽しみます~(^.^) (2014年6月18日 22時) (レス) id: c6e7bfcddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちづ・よじゃ | 作者ホームページ:http://aojirushi.net/  
作成日時:2013年2月26日 23時

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