ヌナ・ヌナ・ヌナ【03】 -SJ-

117.弾んだ気持ちの理由　-よじゃ- ページ20

ユニが戻って、２人の靴のチェックをして。

ふと時計を確認すれば、もう約束の時間が近づいていた。


「ごめん、ユニ、私もう時間だから」

ﾕﾆ「え、もうそんな時間ですか？分かりました、後は片付けておきます」

「よろしくね、ジホもー！あとお願い！」

EH「どっか行くの？」

「これからチームリーダーの定例会で」


荷物を取りに向かえば、そばにいたソンミンが、頑張って、と笑みを向ける。

「はい、頑張ります」

何故か照れくさくて小さく返事を返すと、そのまま仲間とメンバーに見送られながら、足早に部屋を出た。



廊下を進みながら、ふぅと深い息を吐く。

１人になれば余計に、ヒチョルの言う通り、どこか浮ついたテンションを確かに感じて。
大事な会議を前に、気持ちを切り替えたかった。

ドキドキするような、そわそわするような、高揚感に包まれた自分を、少し持て余す。

こんなに弾んだ気持ちの理由が、よく分からなくて。



定例会は、それぞれのグループを担当するチームのリーダーが集まっての報告と、すべてをまとめる先輩からの指針と指導が入る、いつも緊張するもので。


今回も、

「Aのは最近無難にまとまってるところがあるから、トレンド意識してもっとカラーとか柄とか、意欲的に上げて行かないと」

なんて、しっかり注意を貰ってしまって、最近のスタイルを反省する。


どうしても自分の好きなブランドだったり、スタイルに偏ってしまいがちだからこそ、客観的な視点はいつも正解に近い。

他のリーダーへの指導を耳の隅で聞きながら、思考はすでに、意欲的、のキーワードが示すスタイルでいっぱいだった。



定例会後は、誘い合うまま飲み会に流れていって。
年齢も近い同僚が多いから、気さくな会話が続く。

それもほとんどが服の話なんだから、盛り上がらない訳がない。


「たまには他のグループやってみたいって思わない？」

「あぁ、分かる。俺もっとパンクなのとかスタイリングしたいなぁ」

「Aは？」

「ガールズグループは、一度やってみたいかなぁ」

「私はむしろスジュがいいですー！実は、最近、みんペンなんです♪」

「え？ソンミンさん？」

「あのですね、この前事務所で…」

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