転生したら鬼人だった件 2【転スラ】

第93話 ページ49

「喰らい尽くせ、暴食者(グラトニー)！」

『奪い尽くせ、強欲者(グリード)！』


紫の霧が鱗を飲み込み、紅の霧が鱗を吸い込んでいく。


「後は俺たちに任せろ。」

『みんなは一旦下がって休んでて。』

「我々はまだお役に…！」

「慌てるなって。あれを見ろ。」

『鱗が再生を始めている。次にあれを使われた時、また守ってやれるか分からない。』

「しばらく俺たちが相手をするから、ベニマルの指示で攻撃するんだ。」

「…ご武運を。」

「お気をつけて、リムル様、A様！」

「ご無理なさりませんように！」

「「我が主よ、すぐに応援に戻ります！」」

「『ああ！』」


私とリムルはそれぞれ羽を擬態し、カリュブディスに近づく。


『さてと…』

「やるだけやってみるとしますか。」


「『はあぁっ！』」


リムルが黒雷を、私が蒼炎をカリュブディスに放つ。が、あまりダメージは無いようだ。


今度はカリュブディスが攻撃を仕掛けてきた。
目からビーム！？何のゲームだよ！


そんなことを突っ込んでいる暇はなく、私たちは空中で避け続ける。


眼下を見ると、攻撃の当たった地が爆発し焼けていた。


「あーあ…」

『せっかくの綺麗な森が…うぉっと！』


くそ、鱗も避け無きゃならんのかよ。


「うーん…少しは痛がってる…か…？でも…」

『なぁ、こいつ超速再生を持ってるんじゃ？』


私の問いに助言者が答える。

《解。体組織の修復速度から判断し、個体名カリュブディスが、エクストラスキル超速再生を所持していると考えて間違いありません。》

リムルの方でも大賢者が同様の答えを出したらしい。


「うわぁ…」


《鱗の再生は、超速再生により3分程度で完了すると予測。》


『3分でまたさっきのあれがくる、ってことか。はぁ…』


ペガサスナイツの攻撃も加え、総攻撃で一気に撃墜…と思ってたんだけど…



10時間後─────

これなら全員分の抵抗結界作れたかも…後悔先に立たず、だな…。


「はぁ…カリュブディスのダメージは、せいぜい3割ってとこか。」

『総力戦で3割…これはまずいかもね…』

「どうしたものか…ん？」

『声が…？』

「ｸｶﾞｯ、、オ、ｵﾉレ､ﾐ、ミﾘムメ、…」

「ミリム？ミリムって言ったよな？」

『あ、ああ。私にもそう聞こえた…』


助言者、分析してくれ！

《解。カリュブディスの依代となった素体の生命反応を確認。その素材が、強烈な怒りの感情を持っている模様。》

第94話→←第92話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す