第88話 ページ44
『そういえば結構経つな…まだ私たちが無害だと納得できないのか?』
「いえ、お二方の疑いはとっくに晴れているんですがねぇ。」
『じゃあどうして?』
「いやぁ…ここは実に居心地がよろしくてですな。ろくに休みもなかったですし、ゆっくり羽を伸ばすのもいいのではないかと…。」
「お前なぁ…あなた方が本当に人間の味方なのかどうか、しっかりと確かめさせてもらうことにします、とかかっこいいこと言ってたくせに。」
「くうぅぅ〜…」
「『聞いちゃいねぇ!』」
優雅に熱燗飲んでんじゃねぇよ!
「おい!」
「え?」
『それに、ヨウムたちの件はどうなってるんだ?私たちの代わりに、英雄に仕立て上げる協力をしてくれる約束!』
「あぁ。」
『あぁじゃない!もうヨウムたちは旅立ったんだよ?』
「英雄として、各地で名を売るためにな!」
「それなら問題ないですよ。既に仕込みは終わらせてあります。」
『そうなのか?』
「ええ。ちゃんとオークロードを倒した英雄として名を広められるように、根回ししてあります。
そして、Aどのたちはそれを手伝った無害な魔物たちだ、と噂になるように。」
そう言うとフューズはまた熱燗を飲み干した。
なるほど、仕事はしっかりしてくれる。これはこの先の国交でもかなり頼りになりそうだ。
「そっか、ならいいや。」
「それでは、私はそろそろ…」
『あ、そうだ。フューズたちのブルムンド王国へも道を作ろうかと思ってるんだけど…』
「え?いや、え?いやいや、それはありがたいことですが…大規模な国家事業になりますぞ?莫大な予算が…」
『そこだよ、フューズくん!』
「く、くん!?Aどのにそう呼ばれると、なんだか背中がむず痒いのだが…」
「そんなことはいいんだよ、フューズくん。」
「り、リムルどのまで…」
「道が出来れば、今後の取引にも便利だろ?当然だが、作業は俺たちが引き受けようじゃないか。」
『ただし!』
「ただし?」
『我が国の特産品を他の国にも売りつけたいので、諸々の相談ができる人物の紹介を頼みたいんだ。』
「分かりました、お易い御用です!」
『よかった!助かるよ!』
翌日────
カバルたちが食料調達も兼ねた魔物の討伐から帰ってきたようだ。
「はあぁぁ…重かった…」
「はーはっはっ!今日も大漁なのだ!」
「おお!」
「ミリムちゃんは凄いですよぅ。すぐに魔物を発見するので、今回も狩りが楽々でしたぁ!」
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最高です! - 最高最高最高最高最高 (9月27日 19時) (レス) @page6 id: e900712ad7 (このIDを非表示/違反報告)
nana1021kpsg(プロフ) - とても面白くてお気に入り作品にさせていただきました!ただ、誰が何を喋っているか分かりづらいので、名前等を書いていただけるとありがたいです。 (2023年3月31日 1時) (レス) @page6 id: 06273e7c15 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - もしかして犬夜叉…?? (2023年3月17日 10時) (レス) @page12 id: 364dcb601a (このIDを非表示/違反報告)
わらじ - アクトの鳴き声可愛いです。 (2023年1月20日 23時) (レス) @page48 id: 42cb93ed04 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - すみません。誰かアクトについて教えていただけないでしょうか (2022年8月13日 0時) (レス) @page1 id: 54ed83ce57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぬこ | 作成日時:2021年9月12日 19時