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十話 ページ11

『…竈門炭治郎くん…かぁ』


どこか上の空な頭の中。

夢見心地で、現実味を帯びていない己の視界。


僕が帰るとき、彼は僕の姿が見えなくなるまで手を振ってくれた。

しかも、あんな満面の笑みと、優しい陽だまりのような色を帯びて。

あんなに優しく、誰かに微笑まれのはいつぶりだろう。


ここにいても、冷たい視線を浴びせられるだけ。

彼らの口から出るのは、まるでつららのような恐ろしく冷たい言葉ばかり。


『……なんだか、ふわふわする』


彼の笑みが頭をよぎるたんびにぎゅっと胸が痛くなる。

体に異常はないし、呼吸だってちゃんとできているのに。


どうしても、彼の笑みを思うと、胸が、心が、苦しくなる。


こんな変な感情、一体僕はいつ覚えたのだろうか。

布団に寝転がっても、いつまでたっても、その感覚が途絶えない。


「A様。ドウカナサイマシタカ」

『やぁ玉艶(ぎょくえん)…なんでもないさ。ちょっとだけぼんやりしてしまって…』

「アノ男ノ事ヲオ考エニ?」


…うちの鎹鴉はなんでこうも頭が賢いのだろう。

というか、察しがいいというか…なんというか。


『…いい子だよねぇ、彼』

「貴方様ガ年下ニ翻弄サレルナド、ワタクシハ思イモシマセンデシタ」

『ちょっと…翻弄なんて言い方はひどいんじゃない?』

「アナガチ間違イデハナイデショウ?」

『そんなこと…あーもう!それより任務は!?』

「昨日ノ今日デスヨ。任務ハ、シバシキマセン」

『うるさい!僕がしたいって言ってるの!お館様に聞いてきてよ!』


今のこの気持ちを紛らわすため、とは言えど、

苦手な任務を求めてくる僕を変に思われたのだろうか。

一応軽そうな任務と共に、お館様直々のお手紙と、

心労に効くお茶っぱ…国外では確か「はーぶてぃー」と呼ばれる物を渡された。


僕が任務を要求したらこうもおかしくなるのか…。


ちょっとだけ、心に傷が付いた日だった。






__________

アニメを久々に見たのですが、浅草の路地裏的なのでいちゃこらしてた人たちを見て、炭治郎が真っ赤になって失礼しましたっ!って言ってるシーンが最高に可愛いなぁと思って見ていました。今度おまけで書こうかなぁと思っている次第でございます。番外編みたいな感じで。後アニメではついに善逸と伊之助が出ましたね。しかし鬼滅の刃の戦闘シーンがなんとも綺麗でとっても素敵で…もう文字数制限邪魔すぎ!!まだ語りたいことが山ほd((((強制終了

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八雲(プロフ) - とても続きが気になります!!更新楽しみに待ってますね! (2019年5月27日 21時) (レス) id: ee1ccd9f95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とりまろ。 | 作成日時:2019年5月5日 14時

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