初恋は白王子 Ⅲ (ページ24)

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36.片想いページ24

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画面に集中していれば隣から規則正しい寝息が聞こえてくる

まあこうなることは大方予想がついていた

時刻はすっかり2時を過ぎ、騒ぎ疲れたのか眠ってしまったようだ

ベットに寝かせてリビングへ戻れば今度は純喜と蓮くんが某乱闘ゲームをしていた

奨くんはと言うとその光景を微笑ましそうに見ている

河野)「あっ！ちょっと蓮くん！」

川尻)「まだまだだな～w」

河野)「やばいって！」

川尻)「いぇーい！」

河野)「あー！」

白岩)「相変わらず蓮くん強いっすね」

與那城)「あ、Aちゃん寝た？」

白岩)「はい」

與那城)「そっかそっか」

河野)「そうや、瑠姫！」

持っていたコントローラーを床に置くと勢いよくこちらに振り向いた

"ほんまにごめん"と頭を下げる彼は1ヶ月程前にも見た気がする

河野)「Aに言ってないの知らんくて韓国行く話してもうた」

川尻)「え、言ってなかったの？」

白岩)「あー...」

隠し通すことは不可能とわかっていても予想より遥かに早い時期にバレてしまったようだ

何も言わない俺に純喜は"なんで言わんかったん？"と聞いてくる

河野)「流石に忘れてたわけないやろ」

白岩)「まあね」

河野)「あいつ口には出さんかったけど絶対傷ついとるぞ」

不器用に笑う彼女の笑顔が容易に想像できる

言わなければ彼女が傷つくことはわかっていた

それでも隠したい理由があった

けれどこの考え自体が幼稚だったと後悔する

河野)「なんでなん？」

白岩)「...言ったら気遣って連絡してこないんだよ」

元々彼女はほとんどマイナスな発言をしない

それは仕事が好きだからもあるだろうが大半は人を頼るのが下手だからだ

ただでさえ弱音を吐かないのに俺が忙しいと気づけば絶対に1人で抱え込んでしまう

それは何としても避けたかった

淡々と話せば、年始の一件を知っている純喜はまた"ごめん"と呟いた

白岩)「でも俺の考えが浅はかだったっすよね、1ヶ月も隠し通せるわけないのに」

川尻)「ちょっと以外かも、完璧人間かと思ってた」

白岩)「傍から見たらそう見えるかもしれないっすね」

"放っておけないんです"と言うと隣の蓮くんが小さく笑った

川尻)「瑠姫って意外とわかりやすいよね」

白岩)「なにがっすか？」

川尻)「好きなんでしょ？Aちゃんのこと」

予想外の質問に驚くが他の2人はいたって平然として話を聞いていた

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