初恋は白王子 Ⅲ (ページ8)

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『瑠姫くんがいなくなったら部屋が凄い広く感じた』

白岩)「あー、俺の荷物の方が多そうだったもんね」

『なんかさ、おかえりって返って来ないだけでこんなに寂しいんだね』

白岩)「俺がいないの寂しい？」

『...寂しいよ』

からかうつもりで言ったのだろう

私の言葉に瑠姫くんは驚いたのか目を見開いた

『ご飯作っても美味しいって言って食べてくれる人はいないし、自分のために作るのも段々億劫になってさ』

お腹も全然空かなくなり忙しさにかまけて食べなくなった

そんな生活を送っていたのだから体調も崩す

それでも忙しい日々は流れるように過ぎ去って行くので気付かないふりをして仕事に没頭した

自分1人じゃないということが無意識のうちに自分を規則正しい生活に戻していたのかもしれない

『瑠姫くんのおかげで普通の生活が出来てたんだと思う』

白岩)「同居は向いてないなんて言ってたのにね」

『やってみないとわかんないこともあるでしょ』

白岩)「一緒に住む？」

『遅くまで話に付き合うのは嫌』

白岩)「えー、いいじゃん」

『まあでも感謝はしてる...ありがとう』

白岩)「いざこうやって面と向かって言われると照れる」

『言わないだけでいつも思ってるよ』

白岩)「思ってるなら言ってよw」

『やだよ、調子乗るじゃん』

"ケチだなー"と言って笑う彼を見ているとやっぱり穏やかな気持ちになる

『まあ、そういうことだから』

"たまには来ていいよ"と言って、先程手元に帰ってきた鍵をテーブルに置いた

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