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警備の強化された空港周辺、都内主要道路。私も含め総員配置についた。一体どこから始まるのか、高まる緊張に鼓動が速くなる。
空港に現れた様子はなく、検問にも引っかかっていない、移動手段が車でない可能性もゼロではないが、まずないな、あの爆弾は近距離でないと起爆出来ないタイプだ。電車やバスで移動しながらでは自分たちも無事では済まない。銃の乱射など、首を絞めるだけ、
もっと狡猾だ、あの犯人は。
<犯人車両発見、現在空港に向かい高速方面へ逃走中、繰り返す、>
入った無線に考えを中断させアクセルを踏み込んだ。高速なら先輩より私の方が先に着ける。追っているのは一課か?
暫く走り高速に入るとサイレンの音と、僅かに見えたシルバーの車両。
「こちらA、犯人車両を確認しました、このまま追います」
シフトを切り替え、一気に加速する。後ろから警察車両が続々と来るのが見えた、先輩や降谷たちの車もある。通行止めにされた高速なら一般車両を巻き込む危険はない、犯人を追う一課の車両ナンバーが視認出来る位置まで近づいた、直後、
衝撃と共に一課の車両が高速の壁に叩きつけられる。
私の車も爆風に押され、ハンドル操作が利かない。
まずい、後続車両は距離がありすぎて爆破に気付いていない、小規模すぎたんだ
「止まって!爆破が…っ」
無線がやられたのか、ノイズが邪魔して声が届かない。車を降り、ジャケットを脱いで力いっぱい振るも止まる気配もなく近付いてくる、駄目だ、狙いはそこだ、二回目の、
身体が浮く、どこまで飛ばされたのか、すぐには分からなかった。
二度目の爆破は、近付いたほぼ全ての車両を宙に舞わせた。どれだけの規模だったのか、道路が崩落していないことが奇跡に思えた。自分の背にある車を見て初めて、そこに叩きつけられたのだと理解する。辛うじて被害を免れた車から出てくる捜査員、三度目の爆破がその声を消した。
もう立っている者も、車から出てくる者もいなかった。映ったのは惨状、そして、逃走をやめ、こちらを眺めている男の顔。
頭の中で、何かが崩れる音がした。
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作者名:真琴 | 作成日時:2018年4月20日 23時