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「A!」

「よ、久しぶり」

「今日はこっちに用事か?」

「うん、ちょっとね。もしかして出るとこ?」

「いや、今は一段落ついたところだからこれから書類を片付けないとな」

「…私も戻ってやらなきゃいけねえんだった…」

警視庁の廊下で運良く伊達と会った。話しながらずっと私の頭を撫でている、結構な勢いで。会うと毎回これだ、後輩たちにもやっているのを見かけたことがあるから癖だな。

その手が止まったので、顔を見上げると軽く頭を叩かれた、何だいきなり。

「聞いてるぞ、また黙ってたんだろ」

「終わったと思ってたのに…!」

「まあ、少し前に聞いた話だし良くなったんだろうが、感心しねえな」

「…悪かったと思ってるよ…降谷めんどくせえんだもん…」

そう、伊達からの説教がまだ残っていたのだ。治ったならいい、とのことでとりあえず解放してもらった。伊達もなかなか忙しそうだ。休みが合ったら呑みに行く約束をして、私も仕事に戻る。デスクの書類…増えてないといいけど…


「…嫌な予感はしたんだよ…」

「おかえりなさい、Aさん」

「はい、ただいま…あーあ、増えてやがるよクソったれ…降谷ー…」

「おかえり、早かったな」

「してきたよ、打ち合わせ。問題ない。このまま進める」

「そうか、分かった」

「…増えたのか…あの僅かな時間に…」

「その死んだ目やめろ、部下に伝染するだろ」

「伊達に会ったよ…降谷と緑川にも宜しく言っとけって」

「そういえば、伊達には暫く会ってないな、元気そうだったか」

「伊達はいつも元気…頭がもげそうな程撫でられた…」

「………A、昼飯食ってないのか」

「食ったわけねえだろ…?エネルギー不足で泣きそうだ…」

警視庁での打ち合わせは、早く終わりはしたが昼過ぎまでかかり、すぐに戻ってきた。食事を買うのも忘れて。詰めている時は食事もろくにせず連日徹夜も当たり前の公安だが、私にそれは不可能だ。例え両手が塞がっていようと食べないという選択肢はない。

「とりあえずこれで我慢しろ」

降谷が引き出しから出したのは所謂バランス栄養食。多分、大量に溜め込んでるやつ。

「…さんきゅ…」

「足りない、って顔に書いてある」

「足りないよ、足りないけど仕事が先だろーが!」

「俺に当たるな、うるさい」

悔しいが正論。お腹が空いて力が出ない、と席で呟いたら、パンのヒーローみたいですね、って言ったのは風見。似てるけど違うし、その呼び方はなんか嫌だ。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:真琴 | 作成日時:2018年4月20日 23時

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