【WT】New world【短編集】

君に全てを。5 いろえんぴつ様リク ページ23

※君に全てを。4の続きです。



今年も桜が咲いた。
例年よりも5日くらい早く咲いたらしい。

一本の大きな桜の木の下に腰を下ろす


今日で出会って丁度一年か


迅さんがいなくなってから半年が過ぎた
…いや、いなくなったというのは少し語弊があるかな


首にかけてある黒いリングを無意識に触っていた


ここにいれば、またあの日みたいに迅さんが声をかけてきそうで、少し期待してしまう


「A、なにやってんの？」

『……遊真』


そんなことを考えていたら白い髪の少年、遊真が後ろに立っていた。もう19歳だというのに見た目は11歳のままだ。


『迅さんのこと考えてた』

「…そっか。もう黒トリガーは慣れた？」

『うん、だいぶ』


私の黒トリガーは弧月とよく似ている
軽さと丈夫さではこっちの方が上だけどね

色は青。あの人の色だ。
だから夜に起動するとすごく綺麗なんだ。それに落ち着く。




ﾁﾁﾁﾁ
右耳につけている通信機が鳴った


「葉山隊員、緊急会議を行うことになった。悪いが本部へ来てくれ。」

『了解』


この未来は見えていたけど、やっぱりあの重苦しい所には行きたくない。


『ごめん遊真、呼び出し行ってくる』

「うむ。わかった」


会議で話すことは、SEを使わなくてもわかる


さぁ行くか。

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