【WT】New world【短編集】

キヲク。6 ページ18

迅side



あー、また記憶操作か。本人が気付いたんなら、まぁ仕方ないのか？

一応あれはボーダーの中でも隠したい事実ナンバー3には入るしな。


…それにしても菊地原も可哀想だよな。
自分の師匠のことを忘れて、2年後にやっとの思いで思い出したってのに、風間さんたちにすぐ気付かれて、数時間後には全部忘れてるんだもんな。


そんでもって強化聴力は生まれ持ったものということになって記憶を刻まれている。


あ、記憶操作ならついさっき終わったよ。今は眠ってる。
ほんと、ボーダーって怖いことするよな……。
まあ、その怖い組織に設立時からいる俺が言っても説得力がないだろうけどね。



しかしまぁ、よく思い出したよ。
Aも少しは報われたかな？



あぁ、あいつの正体？
それは菊地原も半信半疑だったみたいだけど、正解に辿り着いてたよ。


うん、あいつはネイバーだ。
こっちの世界にスパイに来てたんだってさ。

でもあいつ優しいからな、弟子ができて嬉しかったんだろ。本来の目的なんかそっちのけで菊地原のこと鍛えてたよ。



まぁ、スパイだってことが上層部にバレたんだよな。
……なんでバレたかは伏せておくよ。

　
それであいつも、気付かれたことに気付いた。


その後は、まあ……想像に任せるよ。
あいつも少しくらい抵抗すればよかったのにな。





……あ、もう菊地原が目を覚ましそうだ。

それじゃあ俺はこの辺で失礼するよ。









さて、今度はバレないようにしないとな＿＿＿。


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