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ーーー光輝ーーー
うそだろ。
そんな…
授業がはじまっても、気が気じゃない。
Aさんは何食わぬ顔をしてペンを走らせていた。
近くでひそひそと話をする声が聞こえる。
“てか、Aさんって光輝と付き合ってるんじゃないの?”
“夏休み中、二人を見たって人多いし…”
はぁ…
こっちだってその予定だったっつーの。
焦りが募る。
俺の気持ち、全然伝わってないじゃん。
むしろ、間接的に断られた気分だ。
Aさんは授業が終わると、すぐに教室を出て行った。
陸「プリンセスになるってそういう事だったのかもな。」
海司「たしかに。」
Aさんはどういう心境なんだろう。
今日は始業式で午前で学校が終わる。
Aさんはすぐ教室を出て、バイトへ向かった。
海司「俺らもダンス行きますか。」
「…おう。」
ーーー
いつも通り練習し、17:30をまわった。
「俺、ちょっと先行くわ。」
2人はふーんと意味深な顔をしている。
海司「Aさんのカフェだろ?」
陸「行ってきな。」
「お、おう。」
2人にポンっと肩をたたかれ、俺は駅まで向かった。
カフェに着くと、ちょうど店長が店の前の黒板をディナーメニューに書き直しているところだった。
店長「おー!来たね。ナイスタイミング。Aちゃん、今日18時までだよ。あ、噂をすれば…」
『お疲れ様でした。』
ドアから出てくるAさん。
俺は手を上げて、合図する。
店長「じゃあ、よろしくね。」
ボンと肩を強めに叩かれ、店長は店の中へ入って行った。
『光輝くん…、ど、どうしたの?』
「予測つかない?」
Aさんは、ギクッとして、顔を下に向けた。
「とりあえず、歩こっか。」
『は、はい。』
無言で歩く。
頭のいいAさんだから、俺がなんで来たかわかってるはず。
ばつが悪そうについてきて、近くの公園のベンチに座った。
「…俺、納得いってないんだけど。」
『え… あー、うん、』
「プリンセスってそういう事だったの?」
『そういう事…みたいで…す。』
Aさんは先生に怒られた生徒のように、小さい声で呟いた。
最初から決まってたってことか。
「Aさんはさ、それでいいの?」
『え…』
俺が本当に聞きたい事。
Aさんは表情を曇らせ、足元を見た。
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愛菜(プロフ) - こんにちは、はじめまして。お話読ませて頂きました!!竜とは無事結ばれたと思っていいのでしょうか?やきもきしながら楽しく読ませて頂きました。ご苦労様でした!! (2021年8月19日 16時) (レス) id: ec8eca325c (このIDを非表示/違反報告)
angel(プロフ) - 付き合った後の2人が見たいです(≧∇≦)続篇お願いします! (2019年12月20日 16時) (レス) id: 452da7dd64 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 美空さん» 一応、これでシリーズは完結になります。その先の続きは短編で書きたいなぁとは思っています!最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*^^*) (2019年8月29日 17時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - これで完結でしょうか?そうだとしたらお疲れ様でした!ストーリー展開にすごく引き込まれました!またプリロワで新作を作って欲しいです!本当にできたらで構いません。とても楽しませてもらいました!これからも頑張ってください! (2019年8月29日 17時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ちーさん» わ!本当でしたね!気がつきませんでした(;o;)笑 ご指摘ありがとうございます!直しました(^^)完結に向けて頑張ります^_^ (2019年8月15日 1時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2019年7月25日 1時