他校の好きな人が排球部のマネになるまで【西谷夕】

◆３ 糸を切れない ページ5

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「オイ、西谷起きろ！！！」


強く頭を叩かれて、僅かに声を洩らすと共に意識が浮上した。まだ働かない頭を持ち上げてみれば横に鬼だと言われる教師が立っていて冷や汗をかく。

ちらとクラスメイトを見渡すと殆どが口を覆ったり顔を伏せたりと笑いを堪えているのが分かった。
後で覚えとけよ...



罰として放課後居残り掃除を言い渡されて思わず顔をしかめる。今は四時間目らしく、道理で腹が空いている訳だ。



学校に来る前も、来る間も、来た後も、昨日からずっと例の彼女のことを考えていたらいつの間にか寝ていた。朝の号令辺りから既に記憶が無いから、一時間目から今までずっと寝ていたんだなと考える。


その間に怒られなかっただけ良かったか。




「ぶわっはっは！！ノヤっさんそりゃ寝過ぎだろ！しかも鬼先の前で寝るとかとんでもねぇ勇者だな！！」
「鬼先の前じゃ初めてだけどぶっ通しで寝続けるのは前もあったよな」



お昼休み、そのことを話せば龍は大笑い、力は呆れていた。大体予想通りの反応で、俺は食べ終わった弁当を鞄に仕舞って机に突っ伏した。


ふと鞄の中の部活用のタオルに目がいく。そういえば彼女に次逢ったら返すと言ったけれど、湿気が凄い上外が不定期に雨になるため洗ったのに全く乾いていない。


ああでも、あれがあれば＿＿＿





「まだ、繋がってんだよな」




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◆４ 気が付けばもう→←◆２ 借り物で繋がる

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