＊Beauty and Relationship〜小湊亮介の場合〜 ページ8
弟がいる、それは自分だけに限ってではない。
野球をやっている弟、というにしても、哲だって3つ離れた弟がいる。
でも彼女と自分だけしかない共通点。
『青道高校野球部内に弟がいる』
それは接点であり、ある意味の自分の特権かもしれない。
「ねぇ、亮介。なんで私たちの弟ってあんなに可愛いのかな･･･」
Aが、遠い目で言う。ちなみに視線の先には、Aの弟、沢村とうちの春市の姿。
「一部、その言葉に同意は出来ないけどね」
Aの沢村への溺愛っぷりは盲目すぎて、普通の人なら引くレベルだろう。
ただ、彼女においては、そんなことは決して気にならない、全てが許される。
誰もが憧れ、誰もが彼女の特別になりたい、と願っている。
「え？春くん、可愛いじゃない！」
「いや、そっちじゃなくて」
「そっちじゃない･････？？うちの栄純だって春くんに負けずに可愛いわよ！」
「･･････うん、まぁそういうことにしとくよ」
この会話、もう何度目になるだろうか。
２人でそんな会話をしていたら、向こうにいる弟たちがこちらに気づいて手を振っているのが見えた。
沢村は、大声でAを呼びながら、両手を振っている。
その横で控えめに春市も赤くなりながらだが、手を振っている。
･･････もしかしてお前もか。
「えーーーじゅん！！はるくーーーーん！」
呼びながら、大きく手を振り返すA。破顔というのに相応しいほどの笑顔で。
正直、こういう素直で子供っぽい彼女を見るのは結構好きだったりする。
普段は、『青の女神』と呼ばれ、部内でもしっかりしている印象の彼女だが、弟を見ている時は、本当に可愛いのだ。
---------------いたずらしたくなるくらいに。
「Aってホント春市のこと好きだよね」
「うん。弟に欲しい〜」
「弟になる方法、あるよ」
「ん？」
笑って、Aとの間合いを詰めた。
身長差がないのは、こういう時に便利だと思う。
「俺とAが結婚したら、春市は自動的に義弟、だよ」
「え」
互いの息がかかるほどの近さで彼女が少し驚く姿が見えた。
「どう？」
更に詰め寄る。こっちの期待とは裏腹にすぐにいつもの彼女に戻ったのが見えた。
「亮介。また私をからかってるでしょ」
「そう見える？」
「見える！今日はひっかからない！」
「ひどいなぁ」
「ひどいのはどっちよ！」
絶対騙されないんだから、と興奮気味で俺に言う君もまた可愛いんだけど。
(好きだから、いじめたくなる俺も･･･まだ子供かな)
＊Beauty and Advantage〜滝川クリス優の場合〜→←＊Beauty and Sympathy〜伊佐敷純の場合〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2020年9月14日 21時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
六歩(プロフ) - 空さん» ご指摘ありがとうございます！訂正させていただきました(^-^) (2018年7月22日 0時) (レス) id: b12c942fda (このIDを非表示/違反報告)
空 - 益子じゃなくて増子ですよ〜＾＾ (2018年7月13日 22時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
六歩(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。更新頑張ります。 (2018年6月20日 9時) (レス) id: b12c942fda (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！もう更新されないのでしょうか？ (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：六歩 | 作成日時：2016年5月7日 16時
