. ページ8
.
午後からの業務は比較的スムーズで
調子よくすすめていると
フロア入口から今一番聞きたくない声がした
山「お疲れ様です」
入口からそれなりに遠いデスクで
背を向けていても誰の声かわかる
入り口に近い席の中島が声を上げる
中「えー!どしたの山!」
山田が来る事は珍しい事じゃない
何に驚いてるのか不思議だ
山「ちょっと気分転換?」
何がどう気分転換なのかすごく気になるけれど
今振り返るのは気にしてるのがばれると思って振り向けなかった
足音で近づいてくるのがわかる
山「午前中にメールもらった分」
声をかけられ目線をPCから右にやると
見慣れない髪型の山田が目に入ってきた
中島が驚いて七海が言ってたのはこれか…
今までより短い襟足とアップにされた前髪により
顔の良さが際立つ…
綺麗な顔立ちも見慣れて
顔で好きになったわけじゃないと思ってたけど
こんなアップでこんなイケメンは反則じゃない?
「も、もう足し算間違ってない?」
…目を見て話せない
内容の入ってこない書類と睨めっこしていると
山田が書類につけられた付箋をトントンと叩く
そこには
“ちゃんと帰れた?”
と短い文が添えられていた
顔が熱くなるのがわかる
こんな"女の子扱い"久しぶりで
ましてや山田にされた事なんてない
ただ「うん」って言えばいいだけなのに
口からついて出たのは
「当たり前でしょ」
山「…ですよねー」
頭に入ってこない書類をとりあえず机の端によけた
「ん。確認できたよ」
山「はーい」
そんな簡単な返事だけして
山田は自分のフロアに戻って行った
山田にとってはなんてことない
いつもの会話
私だけが意識してるんだ…
この後も頭の片隅に山田がいて
なんだかいつもより書類を捌くのに時間がかかった
235人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
裕莉(プロフ) - 相川あゆさん» コメントありがとうございます!亀更新で申し訳ないですが、ラストはある程度早めに書き起こせると思うので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2021年8月28日 22時) (レス) id: 8affa1dc54 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 楽しみにしています (2021年8月28日 16時) (レス) id: ea882a5465 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:裕莉 | 作成日時:2021年8月14日 0時