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すると庄左ヱ門くんは私の首に腕を回してぎゅっと抱き着いてくる。少し驚きつつも彼の背中に手を置いて優しく摩ってあげた。
庄左ヱ門『…またお部屋に遊びに行ってもいい?』
か細い声で呟くように言われた言葉。
彼の甘えられる存在になれたような気がして嬉しくなり胸が熱くなった。
摩る手を止めて苦しくないように優しくぎゅっと抱き締める。
「もちろん!いつでもおいで。またお菓子とお茶を用意して待ってるね」
そして少しだけ体を離して彼の顔を見つめたあと、おでことおでこをコツンと合わせる。恥ずかしそうに、でもとても嬉しそうに笑う庄左ヱ門くん。
ゆっくりと体を離すと庄左ヱ門くんは私に手を振り土井先生と一緒に廊下を歩いていった。
伊作『僕たちも部屋に戻ろうか』
「うん。じゃあ6年生は私と一緒にみんなで戻ろ」
6年生『(6年生で良かった…!)』
心做しか6年生のみんなが嬉しそうなのがよく分かんないけど…まぁ、いいや。
タカ丸『Aちゃん』
「うん?なに?」
不意にタカ丸くんが私に近付いてきて徐に手を取る。不思議に思い首を傾げていると、私の手をそのまま自らの口元へと持っていき手の甲に短く口付けを落とされた。
よく小説や漫画で見る、王子様がお姫様にするアレ。
「っ、!?」
タカ丸以外の上級生『な、っ?!』
突然のことに思考が追いついてない。
驚きのあまり目をぱちぱちとさせながらタカ丸くんを見る。
タカ丸『僕がAちゃんに櫛を贈るっている約束も忘れないでね。今度一緒に見に行って決めよう。…分かる?デートのお誘いだよ。もちろん良いよね?』
普段とは違い少々強引な彼の姿に押されてしまう。
先程の行為の羞恥も相まって上手く言葉が出てこない。縮こまるように肩を竦めながら目を伏せる。
「あ…ぅ、あの…」
タカ丸『ふふっ、Aちゃん顔真っ赤。可愛い〜…返事はまた今度で良いよ。おやすみ、良い夢を』
私の顔を覗き込むようにして目を合わせてくる彼。逃げ場の失った私は少しだけ身を後ろに引いてしまう。
心臓の鼓動がうるさい。聞こえてるんじゃないかってくらい。
そんな私を見て彼はどこか満足そうに笑みを浮かべると私の手を離して、片手を顔の横まで上げて4年生と廊下を歩いて行った。
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りっか(プロフ) - のんさんさん» いやーー!!www 嬉しいけど恥ずかしいw 文次郎もやっぱ直ぐ顔真っ赤にしそうw女の子慣れして無さそうだもんなぁ、鍛錬馬鹿だから(笑)好きって言われて私も嬉しい好き(違う) (2022年12月4日 21時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
のんさん(プロフ) - 1からまた見てるんだけどヤバい文次郎の扱いめっちゃ面白すぎるww 43〜4とかww留三郎のくだりめっちゃ好きww (2022年12月4日 19時) (レス) @page45 id: fe8741111e (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 待っていただきありがとうございます(*´∇`*)ありきたりな平凡回ですけど夢主様を愛する気持ちは負けていないと思うのでどうぞ最後までお楽しみください♡ (2022年2月7日 15時) (レス) @page39 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回もお話し待ってました!! 夢主愛され最高💕 続き待ってますね (2022年2月7日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 最高の褒め言葉ありがとうございます(*´∇`*)私も毎日どうやったら忍たまの世界に行けるかどうか悩んでます(大真面目)まぁ、行ったところでこんなに愛される訳が無いんですけど夢くらい見たいですよね!!w 推しに会うだけでも良いですもんね!!これからも頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年2月1日 20時