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勘右衛門『あ、Aさん!』
その場から立ち去ろうとすると、尾浜くんがこちらに来て私を呼び止める。
「どうしたの?」
勘右衛門『あ、いや、大したことじゃないんだけど…俺のことも勘右衛門って呼んでくれないかなって思って』
頬を指で掻きながら少し言いにくそうに笑う尾浜くん。
突然のことに少々驚くが名前くらいどうって事ないのでもちろん承諾した。
「もちろんいいよ!勘右衛門くんね」
勘右衛門『あ、それから…Aって呼んでもいい?』
次いで紡がれた言葉と共にふんわりと優しい笑みを浮かべた彼に不覚にもドキリとしてしまった。名前を呼び捨てされることに未だ慣れないので、少し気恥しさを感じながらも頷く。
「あ…う、うん…いいよ」
勘右衛門くんは嬉しそうに『へへっ』と笑った。その笑顔に私もつられて笑ってしまう。
ほわほわとした空気が流れる中、私と勘右衛門くんの間に割って入ってきた喜八郎に驚きの声を上げる。
「き、喜八郎!驚かさないでよ!」
喜八郎『Aさん、今から1年長屋まで行って帰ってくるんですか?』
「ん?う、うん…どうして?」
喜八郎『いえ、この暗い中一人で自分の部屋まで帰れるのかなぁと思いまして』
確かにそう言われると庄左ヱ門くんを送って自分の部屋に戻るとなると一人になるわけで…怖くないと言ったら嘘になる。
「あー…そうだね。確かにちょっと怖いかも」
喜八郎『それだったら僕がAさんを部屋まで送ります。ささ、行きましょ行きましょ』
そう言って喜八郎は有無を言わさず私の肩に手を置くと1年長屋の方へと進もうとする。
仙蔵『待て喜八郎。それなら6年長屋で生活をしているAを送っていくのは我々6年生が適任だと思うのだが』
仙蔵くんの制する声に思わず足を止めた。
確かに、4年長屋を途中で通過して1年長屋に行って6年長屋の私の部屋に戻ってとなると喜八郎は最初に通過する時に部屋に戻った方が楽なのではないだろうか。
6年生には悪いけど、どうせ一緒に戻ってくれるならそっちの方が良いかもしれない。
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りっか(プロフ) - のんさんさん» いやーー!!www 嬉しいけど恥ずかしいw 文次郎もやっぱ直ぐ顔真っ赤にしそうw女の子慣れして無さそうだもんなぁ、鍛錬馬鹿だから(笑)好きって言われて私も嬉しい好き(違う) (2022年12月4日 21時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
のんさん(プロフ) - 1からまた見てるんだけどヤバい文次郎の扱いめっちゃ面白すぎるww 43〜4とかww留三郎のくだりめっちゃ好きww (2022年12月4日 19時) (レス) @page45 id: fe8741111e (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 待っていただきありがとうございます(*´∇`*)ありきたりな平凡回ですけど夢主様を愛する気持ちは負けていないと思うのでどうぞ最後までお楽しみください♡ (2022年2月7日 15時) (レス) @page39 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回もお話し待ってました!! 夢主愛され最高💕 続き待ってますね (2022年2月7日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 最高の褒め言葉ありがとうございます(*´∇`*)私も毎日どうやったら忍たまの世界に行けるかどうか悩んでます(大真面目)まぁ、行ったところでこんなに愛される訳が無いんですけど夢くらい見たいですよね!!w 推しに会うだけでも良いですもんね!!これからも頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年2月1日 20時