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タカ丸の言葉にみんなが身を乗り出して『いつ?!』と聞くので、タカ丸は身を軽く引いて両手でストップと制する。
タカ丸『えっと…確か、一週間くらい前だったかな。僕が研ぎに出していた鋏を受け取りに町に行った時、染物屋さんから出てくるのを見かけたんだ。あそこの染物屋さんはたしか伊助くんのお家じゃないかな?大事そうに包みを抱えていたよ』
勘右衛門『染物屋かぁ…まぁ、単純に考えるならお礼の品物をそこで買ったのかもな』
大した情報では無かったな、と一同が思う中再度タカ丸が口を開く。
タカ丸『そういえば、最近Aちゃんの様子がおかしいから本人に直接聞いてみたんだけど…』
そこでまた一同はグワッとタカ丸を見る。
そして彼はその時のことを話し出した。
ーーーーー
タカ丸『Aちゃ〜ん、髪結いさせてくれない?』
「あ、タカ丸くん。もちろん、いいよ〜むしろお願いします」
一括りにした髪の毛をゆらゆらと揺らしながら廊下を歩く彼女を呼び止めるタカ丸。
ゆっくりと後ろを振り向き彼の姿を視界に捉えると優しい笑顔で承諾の言葉を述べる彼女。
タカ丸に髪結いをしてもらう為にAはそのまま縁側に腰を下ろして、足をブラブラとさせた。その様子を後ろで見ていたタカ丸は小さく笑う。
一括りにされていた髪を解くべく、髪紐をしゅるりと外す。相変わらずサラサラで艶がある彼女の髪をこうして触れるのは自分だけの特権では無いだろうか、なんて思いながらタカ丸は櫛で丁寧に梳かしていく。
タカ丸が口にするのは最近気になっていること。
タカ丸『…Aちゃん最近元気がないみたいだけど、どうかしたの?』
その言葉にピクリと肩を揺らす彼女。
「…私、元気がないように見える?」
タカ丸『うん、元気がないというか浮かない顔というか…。僕もだけどみんな心配しているよ』
タカ丸がそう言うと、彼女は頬を指で掻きながらぽつりぽつりと話し出した。
「あー…実は、ある人からのお手紙を待ってるの。早く来ないかなぁってソワソワしてて…それでそう見えたのかな?なんかごめんね、別にどこか悪いとかじゃないんだよ」
タカ丸『そうなんだね〜。早く来るといいね』
「うん。早くお手紙を貰ってその人にお会いしたいなぁ」
そこまで言うと彼女は空を見上げて小さく溜め息を吐く。
そこまで平常心を保っていたタカ丸は思わず握っていた櫛をへし折りそうになった。
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りっか(プロフ) - のんさんさん» いやーー!!www 嬉しいけど恥ずかしいw 文次郎もやっぱ直ぐ顔真っ赤にしそうw女の子慣れして無さそうだもんなぁ、鍛錬馬鹿だから(笑)好きって言われて私も嬉しい好き(違う) (2022年12月4日 21時) (レス) id: a1a5c64e20 (このIDを非表示/違反報告)
のんさん(プロフ) - 1からまた見てるんだけどヤバい文次郎の扱いめっちゃ面白すぎるww 43〜4とかww留三郎のくだりめっちゃ好きww (2022年12月4日 19時) (レス) @page45 id: fe8741111e (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 待っていただきありがとうございます(*´∇`*)ありきたりな平凡回ですけど夢主様を愛する気持ちは負けていないと思うのでどうぞ最後までお楽しみください♡ (2022年2月7日 15時) (レス) @page39 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 今回もお話し待ってました!! 夢主愛され最高💕 続き待ってますね (2022年2月7日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 最高の褒め言葉ありがとうございます(*´∇`*)私も毎日どうやったら忍たまの世界に行けるかどうか悩んでます(大真面目)まぁ、行ったところでこんなに愛される訳が無いんですけど夢くらい見たいですよね!!w 推しに会うだけでも良いですもんね!!これからも頑張ります! (2022年2月5日 18時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年2月1日 20時