【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その６(春編)

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乱太郎『尾浜勘右衛門先輩と久々知兵助先輩！』

現れたのは5年い組の学級委員長の尾浜勘右衛門と豆腐小僧の久々知兵助だ。

兵助『やぁ。みんなもAさんが気になっているみたいだね』

きり丸『尾浜先輩、分かっていることって何ですか？』

勘右衛門『うん。実は、Aの様子がおかしくなった日が分かったんだ』

小平太『そうなのか？いつなんだ』

勘右衛門『そう、あれはちょうど二週間前のことです…』

そう言って勘右衛門は語り始める。


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遡ることに二週間前。
その日、勘右衛門と兵助は金楽寺へ座禅を組みに行こうとしていた。
正門に差し掛かったところで、一人の少女が門をくぐり忍術学園の敷地内へ足を踏み入れていた。事務員のAだ。

兵助『あ、Aさん』

「え、あ、へ、兵助くん…勘右衛門くんも…こんにちは」

兵助が声をかけると、彼女は少し肩をピクリと揺らして二人を見てへらっと笑う。
その様子に少し違和感を感じた二人は顔を見合わせた。

勘右衛門『一人でどこに行ってたの？』

「学園長先生のお使いで羊羹を買いに町までちょっと…」

そういう彼女の両腕には大切そうに抱えられている包みがあった。お使いに行ったのは嘘ではないだろう。
しかし相変わらず少し落ち着きのない彼女は、目を泳がせながらソワソワしている。
ふと彼女が着物の袖を押さえいることに気付いた。

兵助『Aさん、その腕どうかしたの？』

「え？！な、ななななんでもない！あ、わ、私早く羊羹を学園長先生に届けないといけないから！またね！」

腕を指摘すると、彼女はあからさまに動揺の色を見せる。
そして首を左右にブンブン振り引き攣った笑みを浮かべたあと彼らに背を向けて学園長の庵へと走って行ったのだ。


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6-36→←6-34(2022/05/25訂正)

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